はじめに

私たちFPのところにマネー相談に来る方の家計はさまざまですが、いちばん聞かれることは「お金を貯めるには具体的にどうしたらいいのか」です。そして「みんなどれだけ貯めているの?」「私だけ貯められていないのでは?」と、周りの貯蓄額が気になっている方も結構います。

実際のところ、お金を貯められていない世帯はたくさんあります。今回は、金融広報中央委員会「家計の金融資産行動に関する世論調査」(2019年)を元に、今後の家計行動について考えて行きましょう。


単身世帯の3世帯に1世帯、二人以上世帯の5世帯に1世帯は貯蓄ゼロ!

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上の表の「平均」を見ると、20歳代は除き、どの年代も結構持っている印象を持たれるでしょう。しかし、平均は一部の大金持ちが引き上げてしまうものです。そこで、「平均値」の欠点を補うために、「中央値」もあわせて見ることが大切です。

中央値とは、貯蓄金額の少ない世帯から多い世帯まで並べて、真ん中の人の値です。中央値のほうが、より実感に近いのではないでしょうか。しかし、中央値は、貯蓄ゼロ世帯によって引き下げられてしまうという点があります。

よって、平均と中央値だけでなく、どんなデータ分布をしているのかまで見るのが正しいデータの見方です。

2_単身世帯

3_二人以上世帯

データの分布を見ると、単身世帯と二人以上世帯のどちらも金融資産保有額は100万円未満になっています。「お金を貯められない人」と「お金を貯められている人」に二極化していることがわかります。

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「貯蓄ゼロの世帯」と「貯蓄1,000万円以上の世帯」の割合を表にまとめました。貯蓄1,000万円以上の世帯がある一方で、単身世帯のおよそ3世帯に1世帯、二人以上世帯のおよそ5世帯に1世帯は貯蓄ゼロなのです。

このままでは、将来や老後のことはおろか、目の前の生活ですら苦しくなる可能性があります。

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