はじめに

投資をする前に大切な条件がクリアできているか

相談のなかで、気になったことが3つあります。それは
・貯金が少ないこと
・仕事に必要な要件(学習や身なりなど)が保てているのか
・仕事に必要な他社との交流、情報交換ができているのか 
ということです。

将来のために投資に取り組むことは、大変良いことです。ですが、投資に充てるお金の工面ばかりを考えていてはいけません。将来を生きる前に「今」を生きているのですから、今の暮らしを充実させ、良いものにしていかないと人生もったいない。また、収入がきちんとあることも投資を継続していく条件になりますから、今ある収入の中で何とか投資額を増やしていくと考えるよりは、仕事面がうまくいき、収入を増やして投資額を増やしていこうとも考えられるはずです。

まだお若いのですから現状だけで固まらず、進化した自分を目指すことも、自己投資という投資の一つです。投資は資産形成に有効なものですが、取り組む姿勢について、改めて考えてみましょう。

お金を貯めるには順番がある

今まで貯金をしてこなかったのに、急に将来が不安になり投資でお金を貯めようと考えたようですが、この「お金を貯める」ということには順番があります。この順番を守らないと生活のどこかにしわ寄せが来て、必要な時にお金を出せないことが起こり得ます。

貯蓄は「使う」「貯める」「増やす」という順番で作ります。

「使う」貯金は毎月増減するもので、安定した生活を送るためのお金です。毎月の生活費の1.5か月分が目安です。このお金をすべて使って暮らすのではなく、イレギュラーな支出があった時に賄えるよう、0.5か月分のゆとりを持たせています。安定して1.5か月分以上のお金がここに貯まるようなら、次の「貯める」貯金に移します。

「貯める」貯金は生活防衛資金となるものです。失業や病気やけがなどによる休職などに備えるためのもので、以前は数カ月で生活が立ち直ることを想定し「6カ月分」を準備することを勧めてていました。ですが今年のコロナ騒動で、なかなか生活が立ち直らないケースが多かったこともあり、最近では会社員の方は1年分ほど、自営業の方は2年分以上を目安に持ちましょうと勧めています。

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