はじめに

米10月雇用統計、びっくりするほど大幅改善の失業率には反応薄

引き続き米国内における新型コロナウイルス感染拡大(第3波?)が続く状況下で発表された米10月雇用統計は、予想比で非常に強い内容となりました。

事業所調査ベースの非農業部門雇用者数増減は、市場予想の前月比58万人増対して、63.8万人増でした。8月、9月分の上方修正も合計1.5万人増でしたので、決して弱くはないのですが、9月の改定値の67.2万人増からは鈍化していることを重視する市場関係者からは、不満も出ているかもしれません。ただ市場が注目するものは、予想比乖離が激しい指標であり、今回は失業率が注目されたものと思われます。

米10月失業率は、市場予想7.6%に対し6.9%(9月分7.9%)と発表され、比較的ファンダメンタルズに忠実と思われる米10年債利回りは、一気に上昇する結果となりました。

相場は、ヘッドラインが出てくるや否や売買する人工知能(AI)がファーストリアクションを作ってしまうため、足の遅い人間が飛びつくのは一歩も二歩も遅れがちです。ワンウェイに動いてくれればいいのですが、下手をすると人間は、ド底を売ってド高値を買う羽目に陥りがちです。

米国債は利回り上昇(価格下落)というほぼワンウェイに動いてくれましたが、103円30-35銭レベルで米雇用統計を迎えたドル円は、103円47銭まで買われたかと思うとすかさず103円31銭まで売られ、AIに比べて足の遅い人間には散々な動きとなってしまいました。

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