はじめに

ブラック企業だけじゃなく、業界のブラックも

リクルートキャリアの「転職時の賃金変動状況」によると、前職と比べ賃金が1割以上増加した人が2018年度にはついに30%に達したそうです。コロナウィルスの影響でこの先不透明ではあると思いますが、「転職」が当たり前に行われる世の中になってきました。そのとき、多くの人が「ブラック企業に入りたくない」と考えるはずです。

私の大学時代の友人が、商社から大手の素材メーカーに転職をしました。そろそろ仕事も落ち着いたころかと思い、久しぶりに飲みに誘うと、まあやつれた顔……。どうしたのかと聞くと、残業と無駄な仕事がめちゃくちゃ多く、典型的なブラック企業だと言うのです。

しかしある日突然、ホワイト企業になったのです。理由は簡単、トラブルの元凶であった部長がパワハラで訴えられ、異動することに。無理な残業や無駄な報告などを強いていた人がいなくなり、それはまあ過ごしやすい環境になったそうです。

こんな風に「ブラック企業」と言われる所以の多くは人に依るところが多く、どうしても実際に働いてみないと分からない部分が多いのではないでしょうか。それなのに、失敗したくない気持ちが強くなってしまい、見つけられないものを一生懸命見つけようとしている節があります。

企業にあるブラックも大切ですが、業界ごとにあるブラックにも目を向けるべきではないでしょうか。企業にあるブラックも、業界にあるブラックも、人それぞれ感じ方次第です。ブラックで嫌だなーと思う人もいれば、全然気にならない、なんて人もいるはず。でも、業界にあるブラックって、調べてみると意外にも業界の本質にたどり着くことがあります。

今回は人材派遣業界のブラック要素を1つ紹介しましたが、上にも書いた通り、このブラックにどう対処するかが「逆に面白い部分(つまり魅力)」ともいえるのです。人をどう見るか、派遣先の職場をどう見るか、依頼内容の仕事をどう見るか。人材派遣業界では「人を見る力」が問われますし、養われていきます。ただ「逆もまた真なり」なので、転職活動で全く新しい業界を考えている人は、自分に合っているのか、しっかり考えてみてください。

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