はじめに

育児休業手当の減額を見込んで支出を圧縮

育児休業手当は休業開始後6カ月間は休業開始前6カ月の賃金の67%。つまり取得者の収入の30%ほどが減るのですが、収支ぎりぎりで暮らしていたご夫婦はこの減額の影響をもろに受け、赤字になるケースが多いものです。

相談者様ご夫婦は、出産前は手取りで月に60万円ほどとのことですが、支出状況を見ると全体的に支出が多いメタボ家計になっており、貯金はあまりできていなかったのではないかと思えます。実際の貯金額を見ても、今の生活費の7カ月弱分ほどですから、生活防衛資金としては十分とはいえません。

あと1、2カ月で育児休業手当金は賃金の50%に減りますし、さらに赤字を増やすことがないように、今のうちにしっかりと支出を見直しましょう。

家にいるからといってそれほど支出が減るわけではない

産休、育休を目前に控えていても、「家にいるようになると仕事に通っていた時ほど支出しない」と安易に考え、何も対策を取らない人がいるのですが、それは「定年するとお金をかけない暮らしができるだろう」と老後の暮らしを楽観視する老後の入り口に立つ人と同じです。いざその時が来ると、「こんなはずではなかった」となってしまうのです。

お子さんが生まれると、おむつや洋服、洗剤など気を使うことが多くなります。急病で病院に行くなどタクシー代などもかかるかもしれません。仕事を休むことになり減った支出もあるでしょうが、増える支出も多いのです。収入の減り具合を見ながら、支出の増減のバランスをとることも考えていかないと、家計はうまく回りません。

支出の見直しに家計簿を生かして

収入減を前提に支出の増減のバランスをはかるには、必要で増えてしまう支出を優先しながら、カットできる支出を見つけ、減っている収入の中に収めることを考えていかなくてはいけません。そのカットすべき支出を見つけるためには、相談者様ご家族が毎月、何にいくらを使って暮らしているのかを知ることが必要です。

その「知る」ために必要なことが「支出の記録」なのですが、相談者様はすでに家計簿をつけていらっしゃいます。それを活用しましょう。今まで、家計簿の内容を振り返ったり、支出1つずつについて必要だったか、それほど必要ではなかったか等の判定をしたことはあるでしょうか。

家計簿は、記録することで満足しがちですが、実はそれだけでは役割を果たしていません。記録をもとに前月と比較したり、支出の内容を振り返ったりする事で、その役割を果たすのです。お子さんが生まれて忙しい中でも家計簿をつけているのなら、せっかくですから活用して、家計改善に役立てましょう。

家計簿を見てみると、「食費が前月より高かった」「休業中なのにどうして洋服代がこんなにかかっているのだろう」などと気が付くことが多いはずです。インターネットショッピングが多かった、ストレス発散のつもりで買い物をしすぎたなど反省できれば、それが支出の仕方に気を付けるきっかけとなります。

続けるとうまく貯金に活かせるように

しだいに買い物をする時に「これは本当に必要かな」と考えるようになるでしょうし、買い物の時に自分に「必要かどうか」を問いかけていくと、簡単にあまり必要と思えない買い物をしなくなります。

また、家計簿があると、先を見越してお金の使い方を計画することも可能になります。保育園代が増えると、家計がどうなるのか、どこの支出を減らして増えた分の帳尻を合わせるとよいかなどを考えていきやすくなります。

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