はじめに

家計は額面ではなく、手取り額で管理する

相談者は収入の情報を「額面」で提供してくれました。会社が払ってくれている金額のことですが、相談者はこの金額をそのまま受け取れるわけではありません。相談者が使えるお金のことを「可処分所得」と言い、これは、社会保険料や所得税・住民税を引かれた残りの金額のことです。いわゆる「手取り」額のことですね。家計管理は、この「手取り」を知るところから始まります。

相談者の場合、年収480万円に対する手取り額は約400万円になります。夫は年収650万円に対して手取りは約530万円。2人を合計すると、年収は1130万円で、手取りは930万円です。その差は年間200万円で、1か月あたりでは17万円となります。決して小さな金額ではありません。

家計を額面で管理していると、使える金額が大きく見えてしまいます。本来使える金額よりも17万円も多く使っていいものと思いこんでいたら大変ですよね。家計管理の収入は、必ず「手取り」額で把握するようにしましょう。

希望の優先順位を考える

将来の希望をすべて入れ込んでシミュレーションしてみると、預貯金の推移はグラフの青い線になります。住宅を購入した年に赤字になる以外は、子どもの私立中高から大学の費用を負担している時期も預貯金は右肩上がりなので、大きな問題は無さそうに見えます。

図

けれど、「現在の負債総額」1800万円の返済をすることになると、話はまったく異なります。

毎月の支出の内訳に、借金の返済は計上されていませんでしたので、1800万円を30年間3%で返済すると仮定して試算してみました。グラフの赤い線が該当します。

預貯金は住宅購入時期から7年間にわたってマイナスで、マイナスを脱却しても預貯金残高が1,000万円に満たない期間が長く続きます。保険は共済だけなので、病気やケガで収入が途絶えるようなことがあれば、預貯金はあっという間に底をついてしまうでしょう。

ローンを組めるから6,500万円の住宅購入を検討するのではなく、すでにある負債をいかに早く返済してしまうかが先決です。通常、借金の金利は預貯金よりも高く設定されているので、預貯金を増やすよりも借金を返済する方が家計に貢献するからです。

借金の返済を第一に考えつつ、その他の希望についての優先順位は夫婦いっしょに考えていきます。

教育費のすり合わせを

相談者と夫は、欲しい子どもの人数は一致していますが、かける教育費についてはどうなのでしょう。夫は「特別」反対はしていないとのことですが、相談者が希望している私立の中高一貫校に必要な教育費を知っても反対しないのでしょうか。小学校や中学校を受験する人はほんの一握りです。費用について情報を持ち合わせていなかったり、イメージできない人は多いものです。いくらかかるのか情報を共有したうえで、それでも夫が私立中高一貫校に反対しないかどうか、具体的に話をしてみることが必要です。