はじめに
無駄遣いの少ない優秀な家計!
まず家計についてですが、支出はかなりコントロールできていると思います。手取り30万円で平均9万円/月の黒字になっているのは無駄遣いの少ない状態でしょう。
無職の弟さんが同居しているので、生活費用は二人分だとすると食費もセーブできていますし、光熱費や通信費も高すぎるということはないでしょう。通信費の8,000円については、家にWi-fiを引いていて、二人分のスマホ代も払っているということであれば節約出来ていると思います。二人分はなく、一人分のスマホ代で8,000円であれば格安スマホなどに変えるなどで3,000円以下にできるかもしれません。
自営業者の生活防衛費はいくら?
余剰資金をどのくらい運用に回せるかは、生活費と生活防衛費の金額から割り出せます。
基本的な考え方は、日々の生活費の1.5カ月分を、生活費用の口座に入れておきます。そうすれば急な出費にも対応が可能です。
その上で生活防衛費を現金で貯金します。このお金は滅多なことでは手を付けない貯蓄と考えてください。サラリーマン場合は6カ月分が目安になります。サラリーマンは、働けなくなった場合でも傷病手当が出て、それまでの給料の2/3どの金額を受け取ることができます。そのため6カ月分の生活防衛費があれば、残りの1/3をそこから補填しても生活費を変えずに1年半は生活を守れるので、人生設計を立て直しやすくなります。
ご相談者さまは個人事業主なので傷病手当がありません。生活防衛費は10〜20カ月は備えておきたいところです。一つの目安として12カ月分の生活費を生活防衛費として貯められると良いと思います。現在生活費は21万円ですので、12カ月分の生活費は252万円になります。
ご相談者さまの場合は、300万円の貯蓄がありますので、300万−252万円=48万円は運用に回してもよいでしょう。
個人事業主が利用できる制度
では、48万円の余剰金と、平均9万円/月の黒字を資産形成に回すにあたり、どのような制度を利用していけばいいかを考えていきましょう。
個人事業主のご相談者さまが考えられる税制優遇制度は以下のとおりです。
1)小規模企業共済制度
2)国民年金基金
3)iDeCo(個人型確定拠出年金)
4)つみたてNISA