はじめに

頑張ってできても意味がない

ノルマや期限があると、無理やり頑張って達成する人が出てくる。

これは大きな問題だ。

特別できる人や異常に頑張った人しかノルマを達成できないような仕事のやり方では、そもそも他の人に引き継げない。仕事のやり方を変えない限り、問題は先送りされるだけだ。

ワークマンでは「頑張らない」「頑張ってできても意味がない」と考えている。

全国の経営者に問いたい。死ぬほど頑張って四半期売上を達成して何の意味があるのだろうか?

小手先で売上が上がっても会社は全然うれしくない。

誰にでもできる仕事に標準化するからこそ、30年、40年と続くダントツ経営ができる。

それにはまず、絶対に勝てるポジション取りをすることが重要で、次に誰がやっても売上が伸び続けるしくみが重要となる。

会社は個人の頑張りには頼らない。

だからといってダラダラやっていいかというと、そういうわけではない。

「大きな目標」に向かって社員全体で議論しながら、自発的に仕事をしてもらう。過度に期待しているわけではないが、人は会社の大きな目標が自分の会社でやりたいことと一致すると、思わぬ力が入る。人間は自分のやりたいことには集中できる。厳しいノルマや納期などのストレスがないと、人は自発的に全力で走るものだ。ワークマンの現状はそうなっている。

ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密 土屋 哲雄 著

ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密
社員のストレスになることはしない。ワークマンらしくないことはしない。価値を生まない無駄なことはしない。「しない会社」が、どのようにブルーオーシャン市場を発見し、客層拡大して業績を上げたのか。どのように自分の頭で考える社員を育てたのか。

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