はじめに

まず、2020年では築年が2~3年程度の築浅の不動産が好まれています。2019年内の賃貸マンションの取引は、築3年以内が全体比23%、築22年以上が21%でした。しかし、2020年内(同)では築3年以内が全体比57%と多数を占め、築22年以上は2%と大幅に減少しています(図表4)。

図表4 取引された賃貸マンションの内訳(築年別)

また、エリア別では、東京に集中しています。2019年は「東京都」が全体比40%、「東京都・大阪府・愛知県・北海道・宮城県・広島県・福岡県以外(図表4:その他)」が39%と、投資先が分散していましたが、2020年の取引は「東京都」が59%へと大幅に増加し、「その他」は18%にまで大幅に減少しています(図表5)。

図表5 取引された賃貸マンションの内訳(エリア別)

2020年に「東京の築浅の賃貸住宅」購入の購入割合が増加しているのは、投資家がより安全性を重視した投資方針に切り替えているのだと考えられます。これらの不動産は、「相場価格が下落した場合には、地方や築年の経過した不動産に比べて価格が下がりにくい」傾向があるからです。

また、物件を複数まとめて売買すること(以下、まとめ売買)が、件数・金額とも増加しています。これには、多額の投資資金を有する外国資本が積極的に日本市場に投資していることが原因と思われます。賃貸住宅(マンション)1棟の価格のイメージは、大型オフィスの価格の50~100分の1、物流施設の価格の5~20分の1程度ですが、個々の投資規模が小さいため、多額の資金を投資するために、まとめ売買で取引総額を大きくしているのです。なお、東京の不動産は、情報の充実などから外国資本に人気があります。

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