はじめに
貯蓄ペースが変わらなければお金が余る結果に
3つの視点で考えた内容を支出と収入に分けてまとめます。現在の貯蓄ペースが続いたと仮定し、60歳時点での貯蓄総額も反映させます。さて、どうなるでしょうか。
[試算表の前提]
・65歳まで現在の収入の6割を得て働くと仮定
・60歳で住宅ローンの残債約1,050万円を一括完済
・生活レベルは変更なし
・公的年金は5万円と仮定
公的年金は、ご相談者のプロフィールに基づき月5万円と試算していますが、会社員として働いていらっしゃいますので、厚生年金と国民年金を合わせて月10万円以上になると思われます。ねんきん定期便などを確認してみてください。もし10万円になれば、さらに収入が増えますね。
現在の年100万円(つみたてNISAへの投資額を含めた年間貯蓄額を100万円と仮定)の貯蓄ペースを守ったまま19年間経ちますと、資産総額が4,400万円となり、住宅ローンを一括返済してもなお3,350万円残ります。ローン返済や生命保険料がなくなることもあり、60歳以降の支出はぐっと下がり、医療や介護に備えたお金を加えても、公的年金や個人年金による収入があれば十分足りる結果となりました。
もし現在の貯蓄ペースが崩れ、今後一切貯蓄ができなかった場合はどうなるでしょうか。それでも「準備すべき老後資金」は、4,758万円―(4,196万円+2,500万円)=▲1,938万円となり、足りている計算です。とはいえ、老後の生活費がかなり増えると様子が変わってきます。たとえば、老後の基本生活費を15万円とした場合、支出計は7,350万円。現在の貯蓄ペースを守っていればギリギリ足りますが、ペースが崩れたら不足します。