はじめに

安い物件を価格交渉すれば、ライバルに奪われる

――確かに……。でもどうやって相場観を養うんですか?

不動産を探すとき、ターゲットにする物件の条件を細かく決めることです。予算はいくらにするか。中古と新築はどちらか。一棟丸々買うのか、一戸のみ販売される「区分マンション」を買うのか。エリアはどこにするのか。

これらの条件をかっちり決めて、当てはまる不動産をひたすら見続けます。すると、そのタイプの物件の相場、価格帯がつかめるようになってくる。だいたい1000件くらいは見て、自分の中にデータベースを作るべきですね。

――1000件ですか……! ちなみに「新築か中古か」と言いましたが、分けて考えないとダメないんですか? 同じ不動産なので、そこまで違いはないかと思い……

ダメですね(笑)。不動産の新築と中古は、見るべきポイントが全然違うんです。新築なら1億円のタワーマンションがある一方で、中古なら1,000万円の築古のアパートがあったりします。新築と中古では、まったく違う世界が広がっているんです。私も中古物件には精通しているつもりですが、新築の知識には自信がありません。

――そうなんですか……。じゃあとにかく物件の条件を決めて、1000件見ることが大事と。

はい。それが価格交渉をする大前提の知識です。これをやっておかないと交渉はうまくいかない。初心者の方はそこでまず躓くんですね。価格交渉する前に、データベースを作れ!これが鉄則です。

さて、物件Aの話に戻りましょう。この販売価格が相場より高いと思えば交渉すべきですし、安ければ、さっさと次に進まないとライバルに奪われる。私はこの時点で「比較的安いかな」と思いました。とはいえ半信半疑だったので、2つ目の方法を使って価格を考えることにしました。

あなたの収入の適正家賃はいくら? お金のプロが家計を無料診断[by MoneyForward HOME]