はじめに

2020年11月16日から5日間、“これからの自分のためにお金をレベルアップさせる1週間”をテーマに、オンラインイベント「マネーフォワード Week」が開催されました。

本記事では、11月17日に開催された日興アセットマネジメント講演「投資信託のはじめかた―オトナの七・五・三―」の内容を一部抜粋・編集してご紹介します。

日興アセットマネジメント株式会社マーケティング部長の今福啓之氏と、同社マーケティング部副部長の小林望美氏が、長期の資産形成のために投資信託をどのように活用すべきか、お話します。

低コストインデックスファンドは良いのか?

小林:商品を選ぶ際の話で言うと、「コストが低いものを買え」という論調もありますね。この点について今福さんはどう思われますか。

今福:メディアでよく取り上げられている「低コストインデックスファンド」ですね。まず、そのしくみについてお話しましょう。

日本だったら日経平均株価やTOPIX、米国はNYダウやS&P500というのが代表的な指数です。この指数の動きにぴったりくっつけようとしているのがインデックスファンドです。つまり、指数が1%下がったら同じように1%下げないとダメなんです。なので、様々な運用会社のファンドがありますが、参照指数が同じインデックスファンドであればどれも一緒です。

では何が「低コスト」かと言うと、ファンドの運用を当然タダでやる訳にはいかないので、信託報酬というものを頂いています。そのコストが低いものが「低コストインデックスファンド」と言われるものです。

ですが、目標を持って長期の資産運用をする際に、コストが低いからという理由だけで選ぶのはちょっと違うのではないかと私は思います。

日経平均採用銘柄225を見てみましょう。これは日本経済新聞社が選んだ日本を代表する優良企業ばかりなのですが、2015年末から5年間で、良いものは(株価が)6倍とか7倍にもなっていますが、悪いものは半分や5分の1になっています。たった5年で日本であってもこのような二極化が起こっています。これらを全部まとめて買っているのがインデックスファンドなんです。

もちろん、上がっている銘柄だけ買うこともできないから甘んじて下がっているものも買う日経平均でいいんだ、というのは一定の合理性があって全然構いません。そのかわり、手数料が低くても日経平均を飛び出ることはないんだということぜひ覚えておいてください。

目標金額が貯まったときが“売り時”

小林:参加者様から頂きましたご質問の「いつ売ったら良いですか」。これについてはいかがでしょう?

今福:これまで、65歳の時にいくら欲しいかという観点からお話をしてきましたが、その目標金額が貯まった時が“売り時”です。投資はできればやりたくないけど、自分の将来のために仕方なくリスクを取ったのであれば、早めに安心して現金に戻した方が良いというのが私の意見です。

小林:そろそろお時間が来てしまったので、今日の話をまとめたいと思います。まず、何を買ったらいいかというよりも、目標額をしっかり決めましょう。日々の値動きのストレスは資産運用にはつきものですけど、必要なので、そういったリスクも取っていただきたいということですね。納得してリスクテイクをして頂くと。

そしてトライする覚悟が決まったら、長期で期待できるファンド選びをしていただきたい。低コストだからとかではなく、もっと大きな視点でファンドを選んでいただけたらと思います。

今日ご紹介した内容ですが、日興アセットでは2021年2月から月に一度程度、「オトナの七・五・三アカデミー」というオンラインセミナーを開催していく予定です。ぜひ今回の内容をもっとお知りになりたい方や、直接もっとご質問したい方はぜひご参加をお願いします。

本日は最後までお聞きいただきありがとうございました。

今福:ありがとうございました。