はじめに

お小遣い制で子どもの金銭感覚は磨くべし!

お子様が1歳から12歳ですから、まだお小遣い制にするのは早いと思わるかもしれませんが、上のお子様から始めて、できるだけ早くお小遣い制にしていってください。

子どもたちは、これから、中学校、高校に進学するにつれて生活範囲が広がっていきます。習い事や塾、部活など、それぞれの活動範囲が広がることで、食費や交通費などの支出が増加します。それ以外でも、今後5人すべてがスマホを持ちたいと言った場合には、通信費1万円ではまったく足りないでしょうし、お小遣いなど、普段子どもが使うお金もどんどん増えていきます。その時、子どもたちの金銭感覚を発達させておくこと、これ以上は使わないように、こんな使い方ができる、など、お金の上手な使い方を覚えさせておくことが、家計を助けてくれます。

子どもが複数いると「全員に公平」な態度を親が貫くのは難しいものです。時代の流れとともに、上の子どもは高校生になってからスマホを持たせたのに、下の子は小学生からスマホを持っているというご家庭もあります。子ども5人それぞれの周りの環境や友人も同じわけではないですから、子どものお金の感覚を育て、細かい支出をチェックし、ファイナンシャルプランナーの基本の言葉、「need(ニーズ:必要なもの)かwant(ウォンツ:欲しいもの)」の判別を子どもたちにさせながらお金を使っていくことが、今後の支出管理につながるでしょう。

介護の援助は必要かどうか。親子間の話し合いがまず先

親への介護の援助というのはとても難しいものです。親がいつ認知症になるのかもわかりませんし、親がどれだけ介護に備えているかを知っている子どもはまずいません。親から「民間の生命保険で備えているから大丈夫」と言われても、実は、民間の介護保険は、公的介護保険に連動して保険給付がなされるものと、保険会社独自の基準があるケースがあり、具体的にどんな場合に保険給付がなされるのか、加入者本人がわかっていないケースも多いのです。

介護には、まず公的介護保険を利用することを考えてもらい、親の援助を考えるのは少し待ちましょう。まずは、親が介護になった時に自宅で介護してほしいのか、それとも施設で介護でも構わないのか、ちゃんと自分たちの老後に備えはあるのか、そういった親子の会話から始めてみるのはいかがでしょう。最初から「援助するよ」と言ってしまうと、親が自分でできる備えをおろそかにする可能性があります。できるだけ、自助努力で頑張ってもらい、あとは「公的介護保険」でがんばってもらうために、親の年金がどれくらいあるのか、老後資金の準備はどれくらいできているのか、親との話し合いの中で把握したうえで、「援助する」という方法を検討しましょう。今は援助金額を考えるべき時期ではありません。

まずは具体的な条件の話し合いを

それぞれの費用を「いくらまで使えるか」という上限を申し上げられないという点は、ご不満かもしれません。教育費が「『いつ』『いくら』かかる」というのが確定できないからですが、一定の目標金額を設定することは可能なはずです。子どもそれぞれの教育費の準備金額、住宅の目標金額を設定する場合に譲れない条件など、具体的な条件をご夫婦で話し合った後、再度のご相談をしていただければと思います。

住宅購入を促す「頭金なしの賃貸料くらいの負担で購入できます」という広告を見たこともあるかもしれませんが、2020年からの新型コロナウィルスの影響により、住宅ローンの返済が困難となり、返済猶予などを申請されたご家庭もたくさんありました。住宅購入の際に無理をすると、家計が耐えきれないことがあります。住宅購入は「借りられる金額」ではなく、いい時も悪いときも「返せる金額」を想定して購入できていないと経済状況に翻弄されます。

子ども5人というのはモデルケースがなかなかないので不安かもしれませんが、子どもにかかる費用の準備を事前にしっかりと計画的に行う、それが上手な家計運営のカギとなることをよく覚えておいてください。

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