はじめに

では日本株の危険水準は?

さて、これまで米国市場の話を取り上げてきました。「米国株安→日本株安」の関係があるため、米国市場の状況を知っておくことは重要です。しかし、日本株への投資の観点では日本のイールドスプレッドを把握しておく必要があります。米国と日本では、基準となる株価や国債の水準が異なりますから、当然イールドスプレッドの要注意水準も異なります。

実際に日経平均株価の予想益回りと新発国債10年物の利回りを使って日本イールドスプレッドを見てみましょう。

足元では、株価が上昇したことから、1株当たりの予想純利益を株価で割った益回りが下がりました。また金利がやや高まってきたこと(2月末の国債利回りが0.16%)からイールドスプレッドは低下しています(2月末で4.43%)。

筆者は日本株のイールドスプレッドは経験的に4%を下回ると危険水準と見ています。ですからまだ0.43%分の余地があると見ています。

イールドスプレッドの計算は意外に単純で簡単です。株式益回りのデータは日本経済新聞社のウエブサイトなどから日経平均株価の予想PER(予想株価収益率)の値を取ってきて、その逆数(1÷予想PER)で求めることができます。その値から新発国債10年物の利回りを引けば求められます。

皆さんも是非計算してみてください。実際に皆さんが株式投資をする時、4%を下回っていないかをチェックしてみることをお勧めします。

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