はじめに

住みたい街の条件も大きく変化

住みたい街もコロナの影響を受けて変化がありました。ポイントとなるのは、ここでも「在宅勤務」であり、在宅勤務が定着することによって、「最寄り駅からの距離(時間)」や「都心アクセス」の優先順位は若干下がっているようです。ただし、これは価格上昇という背景もありそうです。

住みたい街の条件として、以前よりも重視するようになった項目では、「病院や診療所、介護施設が充実している」が4割以上。家の近くにクリニックが充実していることなどは、特に子育て世帯であれば気になるポイントです。今後もニーズとして高い状態をキープしていくでしょう。

もうひとつポイントは、2位の「防災対策」です。コロナ前から豪雨災害が頻発していた状況を受け、自治体と物件、両方の取り組みに意識が高まっています。

「徒歩圏内の環境」が重視ポイントに

また、3位・4位・5位に「歩く」という共通のキーワードが出てくるのも注目したいポイント。今までは通勤ありきの生活だったのが、在宅勤務が浸透して自宅周辺で過ごす時間が長くなりました。そのため、自宅から徒歩圏内の生活利便性が充実していること、気持ちよく散歩やジョギングができる場所があることなどに目を向ける人が増えているようです。

8位の「程よい人口密度」もコロナ禍の影響を感じられます。「密」を避ける意識でしょう。ただ、「都心=密」というわけではありません。都心部でも湾岸部のような再開発エリアでは、道幅が広い、ゴミゴミしていない、ほどよい賑わいもあって便利と、この条件に該当します。本来的には、コロナ禍にかからず、住みやすさを大きく左右するポイントだと思います。

ちなみに、在宅勤務で通勤アクセスの優先順位が下がったとはいえ、「駅から徒歩10分以内」を求める傾向は変わらないでしょう。「駅近」の価値は、単に「通勤時間が短くて済む」ということだけではありません。駅周辺は、買い物施設などが集積しており、全体としての生活利便性が評価されているからです。

同じ理由で、「都心アクセス」も「1時間圏内」を求めるニーズが今後も根強いでしょう。働・商・学・遊など多機能が揃う街、そこにアクセスしやすい街の価値がますます高まっていくのではないかと予想されます。

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