はじめに

毎月の積み立て金額の理想はどれくらい?

そもそも毎月どれくらいの金額を積み立てたら良いのかわからないという方も多いと思いますが、理想とする積み立ての金額設定はライフスタイルによって変わります。

一般的には手取り収入の2割が理想と言われていますが、独身の一人暮らしの方であれば、手取りの1割が目安です。そうすると、ご相談者さんの場合、毎月の手取り収入が17万円ですから、手取り収入の2割以上の金額を貯蓄できているので優秀です。

その上で、毎月の積み立て金額の内訳をどうするかですが、預貯金がほとんどない場合は、投資ではなく、まずは堅実に貯蓄を積み上げることを優先させましょう。生活費の6カ月〜1年分ほどの貯蓄ができたら、投資商品を活用しての積立へ変更していくのが良いかと思いますが、ご相談者さんの場合、既に生活費の半年分以上の貯蓄はできています。ですから、つみたてNISAの金額上限金額の約3万3,000円にして、積立貯蓄を約1万円にするなど、積極的に増やしていくことを考えても良いと思います。

また、積み立て金額の内訳を決める際に、目的別にお金を整理してみることも大切です。というのも、貯める目的により、活用すべき金融商品は異なるからです。

目的別にお金を整理して内訳金額・商品を検討する

目的別にお金を整理する際には、「日々出入りするお金」「5年以内に使い道が決まっているお金」「10年以上先の将来のためのお金」に分けます。その上で、それぞれ別の口座や金融商品、方法で貯めるという仕組みをつくると効果的です。

日々出入りするお金とは、もしもの場合に備えるお金や日常生活費です。もしもの場合に備えて、生活費の6カ月〜1年分は確保しておきましょう。ご相談者さんの場合は、前述した通り、生活費の半年分以上は貯めていらっしゃるので既にここはクリアしています。半年分以上の貯蓄があれば、急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや転職など人生の転機が起こったりしても、あわてなくてすみます。日々出入りするお金は出し入れしやすい普通預金口座で貯めておくとよいでしょう。

次は、マイホームの頭金や留学費用など、5年以内に使い道がある場合です。5年以内に使い道が決まっているお金は使うまでに時間はありますが、使う時に元本が割れていると困りますから普通預金よりも少し利回りがよく安全性が高い定期預金や国債などへ預けるとよいでしょう。ここに当てはまるイベントがあるかどうか考えてみましょう。

10年以上先の将来のためのお金は、使うまでに時間の余裕があるので、元本が割れる可能性はあるけれど、大きく増える可能性がある株式投資や投資信託などの投資商品に預けると良いでしょう。ここは、多くの方にとって老後資金が当てはまります。

目的別にお金を整理すると、いつまでにどれくらいの金額をどのような金融商品で準備すると良いのかがわかります。それによって、定期預金の比率を多くするのか、投資商品の比率を多くするのか、あるいは同じくらいなのか、判断しやすくなります。

ご相談者さんの場合、もし、5年以内に使い道が決まっているお金がないというのであれば、すでに生活費の半年分以上の預貯金があるため、10年以上先の使わないお金を貯めるために投資商品に力を入れても良いでしょう。

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