はじめに

二人暮らしの生活費はいくらが妥当?

まず、はじめに気になっているのは生活費はいくらくらいが適正なのか、ということのようです。生活費は、二人暮らしであってもお子さんなどがいるご家族であっても、収入や暮らし方、将来設計等により適正だと考える金額が異なります。いわゆる「理想の家計割合」といわれるものはありますが、それが適正であるとは限らないのです。

理想の割合といったものは、いわゆる「目安」です。その通りにできる家計はほとんどなく、むしろ多くの家計がその理想的な金額からずれています。それでも、毎月の収入の中で貯金ができるようなやりくりができていれば、まずは良しと言えます。

一番良い家計は、そのご夫婦、ご家族なりに支出のコントロールができている家計です。例えば、食を楽しみたいので食費は適正な割合より多いけれど、被服費はあまりかけないようにしてコントロールしているなど。1つの支出が多くなれば、それ以外で調整できている家計が、良い運営ができている家計なのです。

ご夫婦で暮らし方や家計について話し合い、どこにお金をかけ、何を節約するか、話し合って決めていくと、良い家計が出来上がっていくのではないでしょうか。

様子を見ながらゆっくり共有範囲を増やして

「ご夫婦で話し合いを」とお伝えしましたが、これは何よりも大切です。お金の価値観を合わせ、今後どのようにお金を使い、貯めていくかが共有できると、お金の使い方にもメリハリが付けやすくなります。ムダ支出を削減するにしても、同様です。

そういう意味では、「家計を共有したい」というご相談者の考えは、とても正しいことです。あとはどのように取り組んでいくのかです。各自で記録していくのか、タイミングを決めて話し合っていくのか、収入のすべてを合わせてやりくりを共にしていくのか。やり方はいろいろありますから、試してみて、ご夫婦に合うものを取り入れていくとよいでしょう。

生活費は出し合うということですが、その出し合う範囲、つまり共有する範囲が少ないようであれば、ゆっくりと増やしていけるようにしていきましょう。ご夫婦の家計は、共有範囲が大きいほうが上手くいきやすいもの。ムダ支出も省きやすいですし、貯金の目標も立てやすく、その目標を目指して貯めやすくもなります。

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