はじめに

今後を予測する指標「超過リビジョン」

筆者は、株価モメンタム予測に「来期の今期に対する超過リビジョン」という指標を使っています。

リビジョンというのは資産運用業界で“業績予想の修正”という意味です。証券業界には業績予想を仕事とする企業アナリストがいます。このアナリストがそれぞれの会社の利益を予想するのですが、今期(1期先)の利益予想額がより大きくなるだろう(上方修正)と考える企業の数より、来期(2期先)の予想額がより大きくなると予想する企業数が上回っていると、「来期の今期に対する超過リビジョン」のグラフがゼロを上回ってきます(計算方法の詳細はグラフの注3を参照)。

また、グラフが上昇するのは来期超過のリビジョンの傾向が前月に比べて強まってくることを表します。そしてグラフで示されている様に、「来期の今期に対する超過リビジョン」と「累積モメンタム投資収益率」のグラフは連動しています。来期の業績予想が強気(上方)に修正される傾向が今期を上回ると、モメンタム投資のパフォーマンスが良くなるのです。

この理由には次のことがあります。株価モメンタムは過去上昇してきた銘柄が将来も上昇を続けるということです。足元業績が良くて、それに連動して株価が上昇してきた企業を例に考えて見ましょう。この企業の将来の業績が、より一層良くなるなら、これまで株価が上がってきても、それが買われ過ぎとはならずに更に株価が上昇していくと考えられます。これが株価モメンタム現象となって現れるのです。

来期の今期に対する超過リビジョンのグラフが上昇していく環境は、来期の業績予想が今期の業績予想よりもより強気(上方)に修正される傾向となる状況なので、株価モメンタムが起こりやすいのです。

足元(2021年4月)は来期の今期に対する超過リビジョンが上昇傾向にあります。今後もモメンタム投資戦略に注目する場面と考えられます。

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