はじめに

財形か、DCか?

さて、会社でDC(企業型確定拠出年金)が始まるとのこと。これはぜひ、始める方向で検討しましょう。DCは「確定拠出年金」なので、運用もできますし、定期預金、保険商品なので積み立てることもできます。この中の選択型は給与切出型とも言われ、給料の中からDCへの拠出金を負担するかどうかを自分で決めるものです。

選択型DCをするのであれば、拠出額分、給与額が少なくなるので、税負担や社会保険料が少なくなるメリットがあります。しない場合は税額や社会保険料が多くなることが多いでしょう。

給与額や拠出額により、損得に差が出たり出にくかったりするものですが、それよりも、運用により預金よりも大きな利回りでお金を増やせる可能性が大きいですし、なんといっても30代から60歳、65歳(現行・規約による)まで拠出・運用することで、時間を味方につけた運用ができます。

財形貯蓄の場合、住宅、年金財形は利息が非課税というメリットがありますが、今はその金利が0.002%などと低いため、積み立てた額しか資産ができません。貯金としては生活防衛資金として月収の一年ほどは欲しいところですが、解約して財形分の予算をDCに当て、それとは別に支出をコントロールして貯金を作るか、財形の積立金額を少なくして生活防衛資金ができるまでDCと併走するかが良いのではないかと思います。財形だけ、貯金だけでお金を貯めるのは、もったいないのです。

ただ、これらができるようになるにしても、まずは家計づくり、収支が黒字であることが大切です。まずは支出の把握から始め、早めに貯められる暮らし方を身につけ、習慣化させていきましょう。

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