はじめに

夫の役職定年までに支出を整える

夫の役職定年まではあと3年とのこと。その時には長男は大学を卒業し、次男はあと1年大学生活を残した状態です。いわばこの3年が、大学生2人分の学費がかかりますし、一番お金のかかる時期ともいえます。この時期を乗り越えた時に「貯金が減りすぎた」「毎月の支出が大きすぎて困る」という事態にならないように、支出を整えておきましょう。

ご相談者はアプリと口座の通帳で支出を管理しているということでしたが、支出を単に見ているだけで終わってはいないでしょうか。収入の中で何とか納まることが目標ではなく、3年後の収入減に備え、ムダ支出を減らすための振り返りができなくてはいけません。

家計状況を拝見すると、全体的に支出が大きいメタボ家計の傾向があると感じます。支出にメリハリをつけるためにも、必要な支出を残しつつ、さほど必要ではない支出を減らし、収入減に備えていきましょう。今のままでは3年後、毎月13万円もの赤字となり、ボーナスでも補てんしきれない状態となる可能性が高いでしょう。

老後の見通しはどうか

もう一つ考えておきたいのは「年金生活に入った後の家計」です。恐らく長く働かれることと思いますが、もし、年金だけでの生活になれば、今のままではかなりの金額が赤字になると思われます。住宅ローンや子ども関連費がなくなっても、32万円近い生活費が必要となる可能性があるのです。

たとえお二人で年金が23万円ほど受け取れるとなっても、そこから社会保険料など引かれますから、手取りにすると20~21万円です。ということは、毎月10万円ほどの赤字が出てしまう可能性があるのです。10万円も赤字になってしまえば、10年で1,200万円の貯蓄を生活費として切り崩すこととなります。老後は自然に生活費はかからなくなるとおっしゃる方がいますが、実際はそんなことはありません。お金をかける習慣ができてしまえば、それは改善しようと思わない限りずっと継続してしまうのです。

生活費補てんの蓄え以外にも1000万は用意したい

老後に必要なのは、生活費の補てんとしての蓄えだけではありません。医療費がかかったり、介護が必要になったり、住宅の老朽化や介護状況によるリフォームなどが必要になるかもしれません。そう考えれば、少なくとも生活費の補てんの蓄え以外に1,000万円は準備しておきたいものです。

最終的にはいつまで生きられるかにより、老後資金はいくら必要かが変わるのですが、現状のままでは不足する可能性が高いと言えます。家計には急に変えられない部分もありますから、今のうちから、徐々に支出をダウンサイジングすること、貯えを増やすことを考えていきましょう。

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