はじめに
年収が低い人は、老後資金が少なくてもなんとかなる?
高額所得者というのはどうしても支出が多くなりがちです。その生活費を半分にするのは、なかなか難しいことです。しかし現役時代と同じ支出をそのまま続けてしまうと、破綻してしまう可能性が高いのです。
所得がそれほど多くない人は、支出を削る部分は少ないかもしれませんが、年金の収入に対して、支出を合わせやすい場合が多いのです。年間の赤字額が少ないとそれだけ老後資金も少なくてすみ、老後破綻にはなりにくいのです。
たとえば、先ほど例に出した高額所得者だったAさんの場合は、年間360万円(月額30万円)の赤字なので、95歳までの老後資金の総額は1億800万円が必要になります。もし支出を、年間の赤字額が60万円(月額5万円)までおさえられれば、95歳までの老後資金の総額は1,800万円です。老後資金が少なくても大丈夫になります。
長生きの時代に対応している老後資金とは
これでわかるように、老後資金の「金額」がいくら必要なのか、という話はあまり意味がないのです。じつは、老後資金の金額よりも、もっとも重要なのは老後生活の「収支バランス」なのです。
極論をいうと収支のバランスがあっていれば、老後資金はなくても大丈夫と言えます(もちろん、介護や認知症トラブルに備える余裕資金は必須です)。
また、収支のバランスがあっていると、老後資金がどんどん減っていくという恐怖を持たなくてもいいので、気持ち的にもラクになります。さらに、いったいいつまで生きるのかわからない長寿時代にも対応できる方法です。