はじめに

株式投資(考え方)編

続いては株式投資の考え方にフォーカスした書籍をご紹介します。

◆「投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識」

(著)ハワード・マークス (翻訳)貫井佳子 / 日本経済新聞出版 

この書籍は筆者が出演するセミナー等で何度紹介したかわからないくらい、投資家にお勧めしています。とにかく株式投資をする上で抑えておくべき重要なポイントがたくさん指摘をされており、この本については投資の神様として知られるウォーレン・バフェットも一読を勧めているほどです。

この本で何度も繰り返し出てくる重要なメッセージは「投資は簡単ではない」というものです。市場には1円でも多く儲けたいと考えている猛者たちがたくさんいます。その市場に何の準備もなく飛び込むのは、ライオンの群れに飛び込む草食動物のようなものかもしれません。投資は簡単ではないという大前提からスタートして、知識や経験を積み重ねてこそ利益が上がるようになる、ということはぜひ意識いただきたいポイントです。

その他にも山口揚平氏の「知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ」やピーター・リンチ氏の「ピーター・リンチの株で勝つ」、ジェレミー・シーゲル氏の「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」なども非常に有用性が高いと考えます。

株式投資(分析術編)

最後に、株式投資をする上で具体的な銘柄の分析法が詳述された書籍をご紹介します。

◆「株で富を築くバフェットの法則 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」

(著)ロバート・G・ハグストローム (翻訳)小野一郎 / ダイヤモンド社

「投資の神様」として知られ筆者も敬愛してやまないウォーレン・バフェットの投資法について紹介した書籍です。バフェット氏は1930年生まれですでに91歳ですが今でも現役の投資家であり経営者でもあります。超長期間に及ぶ絶大な投資成績はもちろん、莫大な寄付などの社会貢献や株式市場が暴落した際に発するウィットに富んだ発言などから、世界中から尊敬を集めています。

本書はバフェット氏が執筆したわけではありませんが、彼が経営するバークシャー・ハサウェイの投資実績やバフェット氏が同社の株主向けに毎年発行している「株主への手紙」などから、バフェット氏の投資術を詳細に説明しています。

バフェット氏の投資法として特に有名なのが「moat(堀)」という考え方です。日本のお城の多くにはお堀があり、お堀には敵が攻めてきた際にもお城を守りやすくなる効果があります。それと同じ考え方を企業経営にも当てはめて、競合他社が真似しようと思ってもできないブランド価値や技術をもっている会社に投資するべきというものです。

例えば最近だとバークシャー・ハサウェイはアップルに多額の投資を行っていますが、アップルがもつiPhoneなどのブランド価値やアプリケーションのエコシステム等は競合のスマートフォンメーカーが真似しようと思ってもできるものではありません。

moatの考え方以外にも、バフェット氏の具体的な分析術が詳しく記載されていますのでぜひ読んでみてください。

分析術というカテゴリーではその他にも個人投資家DUKE。氏の「1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術」や同じく個人投資家v-com2氏の「最強のファンダメンタル株式投資法」なども具体的な分析術がわかりやすく記載されており、一読の価値ありです。

本日ご紹介した書籍は読者の皆様の投資力向上に本当に役に立てるものばかりだと思いますので、ぜひ読んでみてください。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>

この記事の感想を教えてください。