はじめに
支出は固定費、変動費の順で見直す
ご相談者のご家庭の場合、貯める努力をする前に、まずは現在の収入の範囲で生活するために、支出をコントロールすることが大切になります。
ポイントは「意識していない支出」を減らすこと。まずは「固定費」を減らすことです。具体的には「住居費」「保険料」「通信費」「習い事」などへの支出を疑ってみましょう。これらは毎月払うと決まっているため、本当に必要なのか考えることなく、いつの間にか当たり前となってしまっている支出なので厄介です。ただ、だからこそこの固定費をきっちり見直せるかどうかが、家計が楽になり貯金ができるようになるかカギになります。
次に「変動費」の節約も重要です。変動費とは毎月金額が定まらないもの、具体的には「食費」「水道光熱費」「日用品」「交際費・被服費」などです。
コロナ禍ではステイホームの影響で、変動費が増えがちとなり、コントロールがうまくいかなくなったご家庭も多いようです。ご相談者のご家庭も変動費が多めなので、その影響を受けているのかもしれませんね。
変動費の節約は、手間と努力(我慢)が必要なわりに効果が薄いのが特徴です。ですから、優先順位としては「固定費」を先に見直し、その後に「変動費」の節約を行いましょう。
まずは通信費から
ご相談者の場合は、固定費のなかでも「通信費」を見直してみましょう。
最近は大手キャリアが次々と安いプランを発表していますし、契約プランや通信事業者を変更することで、1台あたり3,000円台におさめることが十分にできるかと思います。通信費はもはや生活に不可欠な存在であるため、食費や水道光熱費は節約しても通信費は気にしないというご家庭が多いのも事実ですが、一度変更してしまえば節約効果が大きいので、まずはぜひ行動に移してください。通信費だけで月1万円、年間12万円の節約も可能です。
食費は1週間単位で管理するのがオススメ
続いては変動費です。ご相談者様のコメントでは「全く贅沢をしていないのに」とのことですが、贅沢はしていなくても、本当は必要のない「ムダな出費」をしている可能性があります。
「食費」を見てみると、黒字家計を目指すなら理想は「手取り収入の12~15%」におさめたいところです。とはいえ、この理想をそのまま当てはめると、ご相談者様の場合は「毎月2万6,400円~3万3,000円」になるので、現在約8万円かかっている食費をいきなりここまで下げるのはストレスになると思います。過度な節約、我慢はかえって健康を損なってしまったり、ストレスで家計のリバウンドをもたらしてしまうことも多いので、心身の健康をキープしながら、少しずつ行うことをおすすめします。
具体的におすすめな方法は「1週間単位で食費の予算管理をすること」です。例えば、現在は1週間で約2万円の食費がかかっているところを、1週間で約1万5,000円でやりくりしてみましょう。これで1週間で5,000円、1カ月で2万円の節約になります。1週間単位で管理することで、精神的なストレスも減ると思います。もし予算を超えてしまう週があったら、翌週で調整できればOKです。