はじめに

指標が出るたびに変わる市場のセンチメント

予想より強いNFPと失業率を受けて、市場のファーストリアクションドル買い、米国債利回り上昇となりました。6月分が発表された7月の時は失業率が予想より悪かったのでドル買いは続きませんでしたが、110円台を回復したドル円はNY市場クローズまで堅調に推移しました。

7月の雇用統計が発表される前から、市場はデルタ変異株の感染拡大懸念が大きく報道されていました。世界でも一部の国では再ロックダウンが発令されており、米国でも一部の州で警鐘が出ていました。また、8月4日に発表された米ADP雇用統計(民間雇用)が、市場予想の前月比69万人増に対して同33万人増であったことで、予想より弱い(少ない)NFPになるかもしれないと思っていた市場参加者が多かったのかもしれません。

また、8月11日に発表された米7月CPIで、米FRB当局者が予想してきた通り、鈍化が見られたことで、ドルは頭打ちになり、米10年債利回り上昇も止まっています。今後も指標が出るたびに行ったり来たりの相場が続くかもしれません。

米FRB当局者の雇用に関する発言

ここで米7月雇用統計発表前に報じられた米FRB当局者の雇用に関する発言に注目してみましょう。驚くのは、米雇用統計直前のウォラーFRB理事の発言です。「統計で100万人規模の数字が出て…」との発言はまさにピッタリです。今後、ウォラー理事の発言は世界中が注目するでしょう。

注意しておきたいのはデルタ変異株感染拡大の懸念も発せられていることです。7~8月はバケーション・シーズンですので、9月に発表される8月分もレジャー関連雇用は強くなるのでしょうが、バケーション・シーズン後のレジャー関連(広義のサービス業)の数字には警戒が必要と思われます。