はじめに

リスクへの不安に対応するためには?

投資を行うと資産が増減するリスクが発生します。このリスクとは、運用資産の振れ幅のことです。また、将来どうなるかわからない不確実性のことを指す場合もあります。市場の株価は上がったり下がったりを繰り返しますが、時に急上昇したり、大きく値を下げて暴落することもあります。

暴落時に狼狽して資産を投げ売ってしまうと損が確定してしまい、暴落後の株価回復を得られなかったりします。投資対象への理解、投資に対するマインドセット、投資のルールや仕組みが整っていないと、株価が大きく下がる時は不安になってしまいます。

このリスクをコントロールして、平常心で投資を成功させていく方法として、「長期」「積立」「分散」を心がけることが大事だと言われます。この言葉はあらゆるメディアや専門家から語られているため、投資をしている人であれば、「知っている・聞いたことがある」という人は多いですが、一方「深く理解していないし、実行できていない」人も多いのが実情です。

「長期」投資の意味を改めてチェック

ひとつひとつ見ていきましょう。

【長期】
長期で全世界の株式のインデックスをみると、10年以上の運用をすれば元本割れする可能性が極めて少なくなることがわかります。逆にいうと、短期では上がったり下がったりしながら元本を割る可能性も高いということです。「そうか、長期が重要か。では私も10年以上の長期で運用しよう」と思っていても、いざ自分の資産が値崩れして下がった時には怖くなって売ってしまう人は多いです。これに対応するには、大きく3つのポイントがあります。

「長期」投資の3つのポイント

1)万が一の状態でも対応できる生活防衛費は運用に回さない。
生活防衛費は毎月の生活費の6カ月が目安と言われます。万が一仕事を無くしたり、収入が得られないような環境になっても6カ月分の生活費があれば慌てずに立て直す時間が持てます。このお金を運用に回してしまっていると、市況が悪いときと仕事を無くすことが重なった場合に運用資産を取り崩さなければならなくなります。安定的な生活を送るためにも、生活防衛費は運用資産と分けて確保することが重要です。

2)直近数年で想定されるライフイベントの費用は現金で用意し、10年以上使わないお金だけを投資に回す。
上記の生活防衛費以外にも、貯金で使うのがわかっているお金を運用に回してしまうと損切りしないと支払えないといったこともあります。例えば、「3カ月後に引っ越しがある」「半年後に結婚式をする」などのライフイベントの費用を運用していて、いざ使おうとした時に株価が下がっていたら損をしてしまいます。短期ではリターンが出るかどうかわからないので、使う予定があるお金は現金で持ちましょう。

3)株価の増減に一喜一憂しないように値動きを頻繁に見ない。
長期投資の鉄則としては、こまめに売り買いをしないで、バイ・アンド・ホールドで長期的に「複利」によるリターンを目指すものです。複利はリターンを再投資するので、長期で持ち続けることでその力を発揮します。「投資の握力」とも言いますが、買ったものを簡単に手放さない力が重要です。また、運用成績が良いのは、「口座を持ったまま亡くなっている人」「運用しているのを忘れている人」という話もあります。株価の動きに一喜一憂しないで、バイ・アンド・“フォゲット”を目指してみるのも良いかもしれません。

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