はじめに

現在の家は売ったほうが良いか、賃貸に出したほうがいいか?

まず、現在の家をどうするかというご質問についてですが、賃貸に出すよりも、売った方が良いでしょう。立地や物件そのものを見ていないので、一般的な話になりますが、立地によって借り手がつかないことがあります。また、管理を自分たちでやるのは大変ですし、管理を委託すると、その分のコストがかかります。管理委託料のほか、貸し出す際の修繕費、固定資産税もかかります。売却してしまえば、相続もシンプルですので、賃貸に出すという選択肢は、あまりおすすめできません。

今から生活コストが抑えられれば今後の暮らしは楽になる

現在の毎月の支出は平均25万円、年間で300万円の支出になることがわかります。ただし、毎月の支出の内訳を合計すると、27万5,000円になっています。変動費や使途不明金には注意してください。

一方の収入を考えてみましょう。年金受給時になると、年金200万円と個人年金月額3万円を10年間受け取ることができます。個人年金受給時の年収は、236万円。10年経過すると200万円の収入となります。

単純にこの数字だけを比べると、明らかに支出がオーバーしているのですが、毎月の貯蓄額は平均10万円ですので、実質の支出は月額15万円です。年間の支出額は180万円ですので、シミュレーション上では、このままの生活を続けていても暮らしていけることになります。

ただし、気になるのが食費8万円、保険料7万円、その他10万円です。食費には外食費も含まれているのだと思いますが、夫婦2人にしては多いですね。外食をしても、2万円くらいは節約できるのではないでしょうか? 保険料は、今だけの金額だと思いますが、医療保険に加入していないときには、新たに加入を検討することをお勧めします。その他の中には、無駄遣いがないか、必ず見直しをしてください。

この3項目の支出が減れば、その分、生活は楽になります。今から生活コストを抑えるよう、準備しておくと良いでしょう。

賃貸なら、7万円くらいまでOK?

ご主人は体調を崩しぎみとのことで、今後の収入が増えることは難しいと思います。そのため、できるだけ支出が増えないような形で暮らすのが一番です。

自宅を売却した場合、手元に1,000万円増えることになりますので、現在の預貯金3,500万円と投資額200万円とあわせて、4,700万円が手元に残ることになります。もし、賃貸で暮らした場合、立地にもよりますが2DKもしくは2LDK、50平米以上の賃貸物件の場合、6~7万円程度見込んでおけば、借りられる物件はあるようです。

その場合、生活費は年金から捻出し、家賃は預貯金を切り崩すと、月額7万円、30年間の支出は、2,520万円です。手元には2,000万円強、残る計算になります。また、7万円は多めに見積もった金額ですので、実際は、もう少しゆとりがある生活になると思われます。

購入する場合には、物件の価格にもよりますが、概算ですが、同じ地域の中古マンションの場合、諸経費込みで2,500万円程度は必要になります。購入した場合は、ランニングコストとして、管理費、修繕積立金、固定資産税、都市計画税もかかるため、賃貸に比べてコストは多くかかってしまいます。

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