はじめに

見直しができる支出は保険と通信費

前述の条件でのシミュレーションでは、ダウンサイジングはあまり必要でないとお伝えしましたが、有料老人ホームへの入居など、大きな支出を見込むライフイベントも考えているかも知れません。支出項目のうち、資産が減らないように見直せる項目は、保険料と通信費があげられます。

死亡保障は現状からすると少し多め

ご相談者も書かれているように、終身保険の死亡保障が、ご夫婦とも少し多めです。必要な死亡保障は、遺された家族の生活費や葬式代などにかかるお金から、今後入ってくる遺族年金や今の貯蓄などを引いた金額となります。ご相談者の場合、お子様がすでに独立しており、ご夫婦とも年金額もしっかりあり、貯蓄も多いため、葬儀代プラスアルファくらいで十分でしょう。一般的に葬儀代は200万円程度ですので、現在の死亡保障(夫600万円・妻1,000万円)は多いと言えます。

いまいちど、加入目的を見直して「払済保険」という選択も

いまいちど、なぜ保険に加入したか目的を思い出してみてください。もし貯蓄目的で加入していたのであれば、このまま継続するのが良いでしょう。しかし死亡保障目的で加入していたならば、解約せずに保険金額を下げ、保険料の支払いをストップできる方法の「払済保険」に変更するのも一手でしょう。浮いた年間保険料の84万円を貯蓄にまわせます。ただし、医療保障など特約を付けている場合は、「払済保険」に変更すると特約はすべて消滅することにご注意ください。変更後の保険金額を保険会社に問い合わせして、それでは保険金額が少ないと感じた場合は、保険金額を減額するのが良いでしょう。今後の保険料が下がり、貯蓄にまわせます。

ご相談者のドル建て介護保険は、介護保障付き終身保険でしょうか。ドル建て保険には、死亡保険金や介護保険金が、円建てでいくらで受け取ることになるかわからないという為替リスクがあります。加入時期も商品内容も不明なので何とも言えませんが、今の時点で解約、または払済にして、浮いた保険料を将来の介護費用のために貯蓄するのも良いと思います。

通信費は、まずはプランから見直して

お子様の通信費は入っておらず、ご夫婦と93歳のお母さま、3名の通信費と考えた場合、少しだけ見直す余地があるかも知れません。格安スマホにせずとも、まずは今の携帯電話会社に相談して、使い方と契約プランがあっているか確認してみてください。使っている以上に多いギガ数で契約している人も多く、実際に必要な分だけ契約すると大きく利用料金を下げられることもあります。

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