はじめに

10月以降は1人当たりの単価アップに注目

これまで見てきた通り、消費人数の大幅減少が消費への大きな打撃となっておりますが、飲食業に更なる追い打ちをかけたのは、感染予防のための酒類の提供自粛要請です。酒類はソフトドリンクと比べると単価の高い商品群であり、とりわけ酒類を扱う居酒屋業態にとっては1人当たり単価の減少となり大きな打撃でした。

ここでは東京都と大阪府の居酒屋の1人当たりの消費金額について見ていきます。グラフから新型コロナ前と比較して低水準が続いていることがわかります。

特に全国でも感染状況が厳しかった東京都と大阪府では、緊急事態宣言が発令された期間中、営業・酒類提供自粛要請や店舗見回りなどが行われ、その結果として来訪者の滞在時間の短縮化や酒類の売上がなくなったことにより、1人当たり単価が減少しました。とりわけ1月後半や4月後半など、緊急事態宣言発出直後の期間で顕著に下落していることが見て取れます。

ところが10月後半以降からは制限が大幅に解除されます。東京都・大阪府においても、時短要請、酒類提供の制限が撤廃される議論が進んでおり、1人当たりの単価が急速に回復する可能性が期待されます。

これまで苦境に立たされてきた居酒屋業態ですが、ワクチン接種を背景とした人々の新型コロナ警戒感の後退、行政による供給制約の解消などが後押しし、10月後半以降は消費人数、1人当たりの単価の両面で回復が期待できる状態と言えるのではないでしょうか。

投資家にとっても、先行きを見ていく中で消費者の行動がどれだけ回復していくかは関心が高く、重要なポイントと言えます。またこれまで自粛を余儀なくされていた領域では”リベンジ消費”が強く出てくる可能性にも期待が持てます。

年後半にかけては、全体の消費者マインドの改善に加え、日々の生活にも密接している飲食業の回復を意識的にウォッチしてみてはいかがでしょうか。

<文・Finatextグループ アナリスト 菅原良介>

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