はじめに

米国の金融政策は緩やかな引き締め路線を歩む見通し

11月のFOMCでは既定路線に沿うかたちで、テーパリング(資産買取規模の縮小)は決まりましたが、その後の利上げに関して、FRBは依然として慎重姿勢を崩していません。「金融引き締めは緩やかに進む」との安心感が、株式市場での強気センチメントの醸成に大きく寄与していると考えられます。

市場が関心を寄せる次期FRB議長の選任についても、現在のパウエル議長の続投か、ブレイナード理事の新たな就任かに絞られつつあるようで、いずれにしてもハト派議長による運営が続く見込みであることに変わりはありません。

インフレに対する警戒感はやや後退

金融政策の方向性を左右するインフレに対しての見方も、以前よりは警戒感が後退している印象を受けます。

原油や天然ガス、石炭などの資源価格に頭打ち感が出てきていることに加え、サプライチェーン混乱の問題も、いずれは時間が解決してくれるとの楽観論が広がりつつあるためと見られます(コンテナ輸送の渋滞は年内の解消は難しいにしても、年明けに中国が旧正月を迎えるタイミングである程度、収束に向かうことが期待されます)。

株式から債券への資金退避の動きも金利低下を促す

さらに、高値更新の米国株式市場から、米国債券市場への一時的な資金シフトが、債券価格の上昇と金利低下を促している可能性もあります。

これによって、金利が十分に下がれば、再び株式市場は上昇のきっかけを得ることになるでしょうし、株価上昇とともに金利も水準を切り上げることになれば、絶対的な利回りへの魅力から再度、債券市場に資金が流れ込むという好循環が連想されます。

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