はじめに
社会保険の加入にはメリットも
パートの年収の壁の中で大きいのは、106万円の壁と130万円の壁。つまり、社会保険に加入するかしないかの分岐点です。社会保険に加入すると、手取りが減ってしまう可能性があります。
しかし、社会保険加入には、次のようなメリットがあります。
傷病手当金や出産手当金が受け取れる
自分で社会保険に加入することで、傷病手当金や出産手当金が受け取れるようになります。
傷病手当金は、業務外の病気やケガで会社を休んだ場合に、最長1年6か月(2022年1月より「通算1年6か月」)にわたって給料のおよそ3分の2にあたる金額を受け取れる制度。また、出産手当金は、出産のために会社を休んだ場合、出産日前42日から出産日後56日までにわたって給料のおよそ3分の2が受け取れる制度です。
将来受け取る年金が増える
厚生年金保険料を支払うことで、将来厚生年金を受け取れるようになります。国民年金だけの場合、40年間保険料を支払うことで受け取れる満額は年78万900円、月6万5,075円(2021年度)ですが、厚生年金はこれに上乗せして年金が受け取れます(金額は支払う保険料・加入期間により変わります)。
障害厚生年金・遺族厚生年金も受け取れる
厚生年金に加入している方が万が一所定の障害を負ったり、亡くなったりした場合には、障害厚生年金・遺族厚生年金も支払われます。加入していない場合よりも、より手厚い保障が受けられます。
手取りが大きく減ってしまうのを避けるために、106万円(130万円)の壁を超えないように働くのもひとつの考えです。しかし、もしも「まだまだ働ける」というのであれば、いっそ年収の壁を大きく超えて働くのもよいでしょう。確かに税金や社会保険料を支払う必要は出てきますが、保障が手厚くなるからです。そのうえ、おおよそ年収160万円以上になれば、税金や社会保険料を支払ったとしても手取りを増やせます。積極的に年収を増やして、将来の資産づくりに励むのがおすすめです。