はじめに

生命保険に関する税制改正の要望

生命保険は、私たちの生活に密接な金融商品の代表格ですが、今年、金融庁が出している以下の2つの要望を掘り下げていきます。

生命保険料控除制度の拡充
死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ

生命保険料控除制度の拡充(案)とは

年末が近づくと「年末調整」のために、保険会社から届いた控除証明書を会社に提出したばかりの方も多いのと思いますが、「生命保険料控除」は、以下のような仕組みで計算されています。

この制度に対し、以下のような改正案が要望されています。

要望に至った背景としては、下記の様に記載されています。

国民一人ひとりのニーズに沿った、生活保障の充実が求められている。一方で、生命保険については、「遺族保障」として年間約3兆円の死亡保険金が支払われているところであるが、国民が加入している死亡保険金額は、遺族の生活資金の備えとして(国民が)必要と考える死亡保険金額に比べて6割程度に留まっている。
このため、今後、個々人の多様な生活保障の準備を税制面から支援・促進する生命保険料控除制度を拡充していく措置が必要になるものと考えられる。
本要望は、こうした趣旨を実質的に担保しようとするものであり、国民生活の安定に寄与するために妥当な措置と考える。

令和4年度税制改正(租税特別措置)要望事項から抜粋

要約をすると、本当に必要とする保険金に対して6割程度しか受け取れていない人が多いので、控除の枠を大きくして、保障の拡大を図る施策にしようということ。仮に所得控除の額が3万円増額されると、所得税が税率10%の人なら 3,000円、税率20%の人なら 6,000円の節税に繋がる計算になります。

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