はじめに

貯蓄残高が潤沢なようでも老後の過ごし方で変わってくる

では、夫婦で60歳で定年退職するためには、老後資金はいくら貯めたら安心なのでしょうか。これは、老後をどのように過ごすかで異なってきます。

よく言われるのが、「老後資産は1,300~2,000 万円不足する」というキーワードです。この出所は、金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)の統計データの「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職世帯の毎月不足額は約5万円」という試算から計算されたものです。しかしこの数値も妻が100歳まで長生きをすると、「2,400万円(5万円×12か月×40年)不足する」と変わってきますね。

相談者は、退職金2,000万円を含めて、定年退職時の貯蓄残高は約1億7,000万円です。とても潤沢な老後資金のようですが、これもどのような老後を過ごすのかによって必要資金は異なってくるのです。

たとえば遠い先の話ですが、入居一時金が1億円の有料老人ホームで暮らしたいと希望すると、潤沢と思っていた資産も半分以上がなくなってしまいますね。

退職後に再び働く選択肢もある

ただ、思いがけず貯蓄残高が不足した場合は、相談者は60歳退職以降も働く選択肢があります。現在は60歳退職以降も、関連会社や子会社で再就職する人が多くなっています。「75歳まで、80歳まで、生涯現役で働きたい…」とできるだけ長く働きたい就労希望者が多いのが実情です。

「人生100年時代」と言われ、60歳以降の「老後」がとても長くなっています。「60歳からが本番」と言われるように、退職後にやりたいことがあるのは素晴らしいことですね。それが実益と結びついて収入が増えたり、人の役に立てることであれば、やる気も増すというものです。退職後をどのように過ごすのか、子育てと貯蓄に励みながら、じっくりゆっくり計画を立てるのも楽しそうです。

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