はじめに

2021年11月18~20日、“明日から実践できる、貯める・増やすコツがここにある”をテーマに、オンラインイベント「マネーフォワード Week」が開催されました。

「今からでも遅くない!積立投資ではじめる資産運用(協賛:マネックス証券)」をテーマに、株式会社Money&You 取締役でファイナンシャル・プランナーの高山一恵氏が、投資初心者に向けて資産運用の基本的な考え方について講演しました。

本記事では、内容を一部抜粋・編集して紹介します。

不変のセオリー「長期・積立・分散」とは

3つのポイントを順に見ていきましょう。まず「長期投資」です。これは“複利効果を活用する”ということです。金融商品には単利商品と複利商品があります。100万円を金利(年率)3%の商品で運用するケースで考えてみましょう。

単純計算で税金を考慮しないとすると1年後の利息は3万円です。単利の場合は、3万円の利息を受け取って、次の年はまた100万円の元本で運用をスタートします。次の年もその次の年も、100万円に対して年3%の金利がつく同じパターンの繰り返しです。

では複利はどういうものかというと、初年度は単利と同じですが、翌年以降は利息分を組み入れて運用します。つまり2年目は103万円を元本に年3%の金利をかけることになり、年々利息が利息を生む効果になるのです。単利よりも複利の方がお金が増えやすい、さらに長期ですればするほど効果を発揮することがわかると思います。

2つ目のポイントは「積立投資」です。積立投資とは毎月決まった日に一定の金額を投資していくものです。投資信託の例で考えてみましょう。毎月25日に1万円分を買い付けていくとします。基準価額つまりこの投資信託の価格が1万円の場合は1万÷1万で1口買い付けたことになります。投資信託は口数で買い付けていくんですね。

次の月の25日に、基準価額が大きく下がって2,000円になってしまった場合、1万÷2,000円で5口買うことになります。3ヶ月目に価格が5,000円になったとすると、1万÷5,000円で2口買い付けたことになります。

では、この3ヶ月目で投資信託を売却した場合はどうなるでしょうか。3ヶ月で得た口数は8口です。売却額は8口×基準価額5,000円で4万円です。積立てた額は3万円ですから1万円の利益が出たことになります。

2ヶ月目に暴落したのに?と思うかもしれませんが、これが積立投資の良い所です。価格が高い時には口数を少なくしか買えませんが、価格が下がった時には多く買うことができます。その後、値が上がれば大きく利益が得られる可能性が高い。積立投資とはこのような投資方法です。

3つ目が「分散投資」です。私も投資が好きで色々やっていますが、一度に大きくお金を増やそうと思うと、1つの資産に集中投資したほうがいいです。ただ、予測が当たった場合は良いのですが外れた場合は大きな損失になります。やはり安定的にお金を増やすためには、複数の資産に分けて投資をする分散投資が重要になってきます。

資産運用の世界で分散投資というと、基本になるのは株式と債券です。それに加えて地域も分散したほうがいいと言われています。国内と海外の株式・債券に分散投資をすることが基本になっています。図は、国内の株式だけに投資をした場合と、国内外の株式・債券に投資をした場合を比較しています。

株式だけに投資をした時の方が分散投資をした時よりも、利益も損失も共に大きくなります。中長期的にコツコツと安定的に資産を積み重ねていくには、分散投資が良いとわかるかと思います。