はじめに

2021年11月18~20日、“明日から実践できる、貯める・増やすコツがここにある”をテーマに、オンラインイベント「マネーフォワード Week」が開催されました。

「今からでも遅くない!積立投資ではじめる資産運用(協賛:マネックス証券)」をテーマに、株式会社Money&You 取締役でファイナンシャル・プランナーの高山一恵氏が、投資初心者に向けて資産運用の基本的な考え方について講演しました。

本記事では、内容を一部抜粋・編集して紹介します。


なぜ今、資産形成すべきなのか

2022年の4月から高校の家庭科の授業で金融教育が始まります。特に資産形成の部分に力を入れるとのことですが、なぜ今そのような教育をするのかというと、昔と比べると経済そして社会状況が大きく異なるからです。

高度経済成長時代、日本の経済成長率は非常に良い時で8~9%程度ありました。しかし1990年代前半のバブル崩壊以降、日本は低成長が続き、国も会社も余力がどんどん小さくなりました。一生懸命働いている割にはお給料が増えない、にもかかわらず社会保障費や税金の負担は増えていると感じる方も多いでしょう。

さらに、「長生きするリスク」などと言われますが、日本人の平均寿命はどんどん延びています。働き続けようにも、将来的にはAIの進歩によって仕事が減るとも言われています。このような社会状況で、将来への不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

その不安に追い打ちをかけたのが新型コロナです。これまでは、家計にピンチが起こった時、将来に備える手段として多くの人が貯蓄を選択してきました。しかし、コロナ禍の動向を見ていると、資産運用に力を入れようとする人が多い傾向がわかりました。

金融庁のデータで2018~2020年のつみたてNISA の口座数や投資額を見ていくと、どの年代も上がっているのですが、特に20~30代の若い世代が増えています。貯めるのではなく、将来に向けてなんとかお金を増やそうという方が増えているのです。

資産形成と一口にいってもさまざまな方法があります。投資でも、株式や投資信託、さらに外貨などの商品がありますが、中長期的に安定的にお金を増やせる方法を選ぶことが大切です。そのためには「長期投資」、「積立投資」、「分散投資」の3つのポイントに沿って行うのがいいでしょう。これは2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのような暴落が起きた時でも変わらない、不変のセオリーです。