はじめに
実際にローンを組んだ人はどのタイプを選んでいる?
それでは、実際に住宅ローンを組んだ方はどのタイプを選択しているのでしょうか。住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者の実態調査(2021年10月調査)」によると、以下の結果となっています。
変動型 67.4%
固定期間選択型 21.7%
固定全期間型 10.9%
当初の月々の返済額が抑えられる金利の低い変動型を選ぶことが多いのがよく分かります。
頭金をどれくらい入れるかの判断基準の3つのポイント
では、頭金はどれくらい入れるとよいでしょうか。
ポイントは3つです。
(1)住宅ローン控除を最大限活用
(2)団信の効果
(3)手元資金の活用
(1)住宅ローン控除を最大限活用
住宅ローン控除とは、2022年以降に居住用不動産を購入した場合、年末の借入残高の0.7%が13年間所得税から控除される制度です。頭金を入れて借入額を少なくすれば、利息負担は軽減される反面、受けられる控除額は少なくなります。
(2)団信の効果
住宅ローンを組むと、基本的には団体信用生命保険(団信)に加入します。ローンを組んだ人が死亡された場合に、残りの住宅ローンが完済される保障です。頭金を入れた場合、万が一のことがあった場合に、手元資金も減っている状況になるため、保障としての機能を活かすためには、手元に資金を残し、あえてローンを組むという方法も考えられます。
(3)手元資金の活用
現在、変動にしても固定にしても非常に低金利の為、あえてローンを組み、頭金用の手元資金を、将来的に繰上げ返済資金として効果的に活用することで、ローン控除や団信の効果をうまく活用しながら、頭金に入れる以上のメリットを享受することもできます。
ご相談者のように共働きの場合、ペアローンにして、夫婦どのような割合でローンを組むと効果的かといったご相談もよくあります。変動や固定で組んだ場合、頭金に入れた場合と、入れずに将来繰り上げ返済した場合など、いくつかパターンでシミュレーションを作成し、ご自身の考え方やライフプランに合わせた選択を目指しましょう。
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