はじめに
年金受取開始まで今の生活を続けてもOK
相談者様の家庭の毎月の支出は、現状では16万7,000円です。このままの生活を定年退職後の5年間続けていくと仮定した場合の支出は、1,002万円になります。また、相談者様が63歳になったとき(夫64歳)から、相談者様の年金が8万円受給できるため、96万円を受け取ることができます。すると5年間の支出は、単純計算で906万円となります。
確定拠出年金は夫婦で合わせて1,000万円であり、10年以上加入していれば、60歳から受け取ることができます。受け取り方は、(1)一時金として、(2)老齢年金として、(3)両方を合わせたかたち、の3つから選ぶことが可能です。老齢年金として受け取るときには、5年以上20年以下の期間から1年刻みで受け取ることができます。どのパターンで受け取るとよいのかシミュレーションしてみてください。
現状から判断すると、公的年金の受給を開始するまでの間に、新たに何かを準備しなければならない、ということはなさそうです。
すでに、将来必要な資金は準備されている?!
今の預貯金額は4,300万円。あと定年までは1年のため、50万円上乗せすることが可能になります。つまり、夫が定年退職した時点では、4,350万円の貯蓄がある計算になります。
公的年金は相談者様8万円、ご主人15万円ですので、毎月23万円を受給できます。現状の生活費は16万7,000円であり、定年退職後のセカンドライフを迎えた時点でも、何か節約をしなければならないということはないでしょう。
また、ご主人に万が一のことがあったときには、相談者様は、夫であるご主人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3を遺族年金として受け取ることができます。
たとえば報酬比例部分が8万円だった場合、8万円の4分の3の6万円が8万円に上乗せされることになります。相談者様が1人で暮らすことになった場合の年金受給額は、14万円になる計算です。
いずれかが先に旅立ったとしても、14万円もしくは15万円が年金として受給できることになり、現状の生活費から導き出される毎月の不足額は、1万7,000~2万7,000円です。
仮に毎月2万7,000円、20年間不足しているときに必要な資金は、648万円です。現状の預貯金額から考えても、すでに必要な資金は準備されていると考えられます(参考:日本年金機構)