はじめに
住宅ローンの繰り上げ返済を!
住宅ローン金利は、歴史的な低金利が続き、21・22年の変動型は年0.4~0.5%でした。ネット銀行ではさらに低い優遇金利の人もいるでしょう。その間に住宅ローンを組んだ人は、半数以上が変動型を選択したようです。しかしそろそろ金利上昇のきざしにあります。
個人の固定型住宅ローンは、10年物国債の利回りを基準として、毎月初旬に変更されます。一方、変動型は、長期金利や短期金融市場の資金需給をもとに年2回の見直しです。かりに10年物国債利回りが上昇した場合は、固定型は月1回の見直しですから、先に金利が上昇します。変動型を固定型に変更しようと思っても、すでに固定型は上がっている可能性があります。変動型で借りている場合は、慌てずにすむように借入れ金融機関の切替タイミングを早めに調べておきましょう。
通常、固定型のほうが金利が高いために、変動型から固定型への切り換えは毎月返済額が増えます。負担増を避けたい場合は、繰り上げ返済の方法があります。金利が上昇した時に、一定額を繰り上げ返済をすれば、元本と利息が減り、毎月返済額が減額できます。いくらの単位で返済できるか、繰り上げ返済の手数料や繰り上げ返済効果など、借入金融機関で情報を入手しておきましょう。
相談者はパターン1・2ともに、貯蓄総額は2,000万円から3,000万円のストックがあります。現在は、住宅ローン減税をフル活用されていると思いますが、住宅ローン減税の期間が終わったら、繰り上げ完済を検討しましょう。ぐんと貯蓄が増えていきます。