はじめに

実物資産への投資も良し悪し

次に不動産ですが、これも一概に何でも値上がりするとは限りません。誰もが欲しがるような物件であれば、十分に値上がりを期待できますが、欲しがらないような物件ではどうしようもありません。

ちなみに筆者個人の話で恐縮ですが、実家を売却しようとしているものの、立地があまりにも悪いことから、ほとんど買い手が付かない状況です。

将来的に日本の人口が減少していくことからも、かつての土地神話が復活することはないでしょう。そう考えると、インフレだから不動産に投資するとしても、どこを買うかという点が問われてきます。

同じ実物資産でも、不動産に比べれば金の方が、まだインフレリスクのヘッジには効くと思われます。実際、国内金価格は2019年6月あたりから上昇し始めていますが、昨年12月あたりから騰勢を強めています。これは国内だけでなく海外も同様です。

しかし、金をいくら持っても、キャッシュフローは生まれませんし、一番の問題はこのインフレがいつまで続くのか、という点でしょう。インフレが長期化するとしたら、金をポートフォリオの一部に組み入れることの効果は期待できそうですが、どこかでインフレが落ち着いたら、恐らく金は売られます。

前述したように、金は一切、キャッシュフローを生み出しませんから、値下がりがダイレクトに資産価値を目減りさせます。正直、いつまで続くか分からないインフレのために金を買うのは、ポートフォリオの効率を下げるだけと考えています。

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