はじめに

住居費の負担増で、貯蓄の取り崩しがはじまる!?

現状、同居の次女は元配偶者の扶養となっており、教育費はかかっていません。生活費については、月12~13万円程度と、次女の分が含まれていないのではないかと思うほど、ムダのないやりくりをされています。

今は、元配偶者名義のマンションにお住まいで、住居費の2万5,000円は、管理費として、これから負担が発生するとのこと。これまでは、毎月1万円ほど、貯蓄ができていたようですが、計上されていない、車にかかる保険料や自動車税、車検代や点検代なども考慮すると、今後は貯蓄の取りくずしが発生しそうです。

加えて、元配偶者がマンションのローンの支払いをストップする可能性もあるとのことで、賃貸暮らしとなると、さらに貯蓄の取り崩し額が大きくなります。

車を手放すことができれば大幅に支出削減可能

家計を拝見すると、日常生活費から削れそうなところは見当たりませんが、駐車場代が1万2,000円と高額です。ご相談者も、車の維持費を考えると、手放すことも検討されているそうです。お住いの地域によっては、車無しでは生活に支障が出るところもありますが、駐車場代から、比較的、便利なところにお住まいかと推察されます。車を手放すことで、仮に、交通費としての支出が月1万円増えたとしても、年間約20万円(※)の支出削減効果が得られます。通院や親の世話で車があると便利かと思いますが、手離すことで支出を大きく削減できそうなら、早めの売却をご検討ください。

ご相談者の場合、今後のライフプランは、住まいをどうするかにかかってきそうです。最悪は、実家に帰ることも可能とのこと。生涯賃貸暮らしとなるパターンと、実家に帰るパターンで、それぞれ試算してみましょう。

※ 相談文に計上されていない自動車関連の年払いの支出として、自動車保険(年間5万円程度)、自動車税(年間1~5万円)、車検代(2年に1回10万円として、年平均5万円)を加算。駐車場・ガソリン代22.8万円ー交通費12万円 +諸費用10万円程度(低く見積もって)として計算。

生涯賃貸暮らしの場合、出せる家賃は月額3万5000円まで!?

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【資産の前提条件】
・生活費:年間10万円を、予備費として別途計上。物価上昇率は0.5%を想定。70歳以降は、医療費や光熱費で月額1万円UPとする
・車の売却益:2年後30万円を計上
・引っ越し関連費:敷金・保証金なども含め50万円を計上
・介護費:86歳~毎月1万円を計上。5年間毎年1万円ずつUPし、以降は毎月5万円とする
・年収:60歳までは現状維持。60歳~65歳まで120万円、65歳~70歳まで72万円とする
・運用:投資信託の運用利回りは2.0%とし、貯蓄額の減少に応じて2回に分けて取り崩す
・運用商品:投資信託のほか、個人年金保険の積立て分を含む
・公的年金:記載の情報から、概算100万円で計算

生涯賃貸暮らしとなる場合、家賃により、住居費総額が大きく変わります。生涯賃貸暮らしを想定したキャッシュフローグラフ【図1】では、2年後にお子様が就職されると想定。このタイミングで、賃貸に住み替え、車は売却しています。生活費は次女の食費代として1万円、光熱費5,000円を差し引き、車両費の1万7,000円は、交通費として1万円とすることで、月額2万2,000円の支出減となります。

家賃は、ご相談者が95歳まで貯蓄が尽きないことを優先して予算の限度額を計算すると、共益費や、更新料、火災保険などの費用込みで月額3万5,000円となります。

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