はじめに

メタバースを支えるテクノロジー

メタバースが、バーチャル空間におけるコミュニケーションの場である以上、そこにVR・AR・MRの技術が関係していることは想像に難くないと思います。むしろ、それらの技術が発展してきたからこそ、メタバースを取り巻く未来が加速しているのです。ここで改めて、それぞれの言葉の意味と違いを確認しておきましょう。

・VR(Virtual Reality):仮想現実

日本語で「仮想現実」と翻訳されているように、コンピューターグラフィックスなどのテクノロジーによってメタバースを作り出せるのが特徴です。VRの世界に入るには、Oculusをはじめとするヘッドマウントディスプレイや専用ゴーグルを装着する必要があります。装着後、目の前に映像が映し出されることに加え、その中でユーザーは自由に動き回り、没入感を体験しながら別世界で活動することができます。

・AR(Augmented Reality):拡張現実

VRがメタバースを作り出すのに対し、ARは現実を拡張させる(拡張現実)のが特徴です。具体的には、現実世界のさまざまな情報に対し、コンピューターで作り上げた画像や情報を重ねるようにして、目の前の世界を拡張させていきます。わかりやすい例でいえば、特定の紙や画像にスマートフォンをかざすと、追加の情報(キャラクターやテキストなど)が浮き上がって見えるような技術が挙げられます。

・MR(Mixed Reality):複合現実

ARの技術をさらに発展させたのがMR(複合現実)です。ARが現実世界を拡張しているのに対し、MRでは、あたかも現実世界にデジタル映像が存在するかのように投影することができます。代表的な事例としては、マイクロソフト社の「Microsoft HoloLens」が挙げられます。これは、現実空間に現れたホログラムの3D映像を見ることができるのに加えて、手や体の動きを通じて実際に操作できるのが特徴となります。

これらを総称するXRのうち、とくにメタバースと関連が深いのはVRです。

VRについて理解することは、よりメタバースの世界観を具体的にイメージするのに役立ちます。VRがどのようなものであり、ARやMRとともにどう社会を変えていくのかを、もう少しだけ掘り下げてみましょう。その先に、メタバースが実現する未来があります。

最初にVRが登場したのは、1930年代頃とされています。当時は飛行機の運転をシミュレーションするために開発されており、VRならではである「容易に体験できないことを仮想空間で行える」という意義がうかがえます。

その後、90年代に入りゲーム機にも応用され、2016年頃からはVR専用端末が次々に発表。市場が盛り上がります。

近年では、コロナ後に広まったテレワークやリモートワークでも、VRオフィスやVR会議などVRを活用する動きが見られます。さらには学校教育のシーンでも活用が模索されており、メタバースの市場は、エンターテインメント、オフィス、学校・教育への派生といった活用が期待されています。

だからこそ、可能性が大きいのです。

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