はじめに

老齢基礎年金を増やすと、将来のおひとりさま対策に効果あり

最後にAさんにお伝えしたのが、老齢基礎年金の受給額を増やすメリットです。夫婦の場合、最終的には単身(おひとりさま)になるケースが多く、男女の寿命を考えれば女性の方が長生きする可能性は高いでしょう。

厚生労働省の調査によると、男女60歳時の平均余命の差は約5年です。年金暮らしの夫婦の夫が亡くなったとき、残された妻は自身の老齢基礎年金と条件を満たせば遺族厚生年金を受け取れます。ただし、遺族厚生年金は妻自身の老齢厚生年金との調整が入るため思ったより少ない金額になることもあるのです。

また、妻の老齢基礎年金受給を66 歳以降に繰り下げて年金額を増額することを計画していても、遺族年金を受け取る権利が発生すると繰り下げができなくなってしまいます。このようなケースでは、任意加入して妻自身の老齢基礎年金を満額に近づけておければ安心と言えます。

なお、任意加入や付加保険については過去に遡って保険料を納めることはできません。まもなく60歳になるAさんは、早速、年金事務所に行き、まずは年金受給額を増やす対策を行うことになりました。

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