はじめに
マイナンバーを他人に知られてはいけない?
繰り返しになりますが、マイナンバーは社会保障・税・災害対策の3分野で使われる番号です。逆に言うと、それ以外で使ってはいけない番号です。なぜなら、マイナンバーは個人と紐づいている大切な情報だからです。
そのため、マイナンバーを求められるシーンは限られています。
たとえば、勤務先や契約先企業など、給与や報酬、料金、契約金を受け取る場合には、相手先にマイナンバーを提供します。また、金融機関で株、投資信託、公社債などの証券取引をする場合もマイナンバーの提供が必要です。
これらは、社会保障や税の行政事務に利用するからです。
そして、マイナンバーは大切な情報ですから、データの管理は厳格なセキュリティが必要です。制度面でも、個人情報保護委員会という第三者機関が、適切に管理されているか監視・監督をおこなう、といったしっかりした体制がとられています。
こうしたことから、マイナンバーを目的外に求めてはいけない、といったルールがいつの間にか、見せてはいけない、知られてはいけない、となってしまったのではないかと筆者は考えています。
マイナンバーを他人に知られるだけでは、なりすまし犯罪や、個人情報を抜き取られる、といったことにはなりません。
個人の特定のためにはマイナンバーだけではなく、顔写真などの提示も必要ですから、勝手に金融機関で借金をされるなどの過度の心配はないといえるでしょう。
また、個人の情報は一カ所に集約されているわけではなく、従来どおり各行政機関等が保有しています。地方税の情報は地方公共団体が、健康保険のことは健康保険組合が、公的年金のことは日本年金機構が、といった具合です。
それらの情報を、必要に応じて照会する際にマイナンバーが使われます。
あまり怖がらなくても大丈夫ですが、大切な情報ですのできちんと管理しましょう。