はじめに
マイナンバーカードが健康保険証代わりに
マイナンバーカードが、病院など医療機関や薬局などで、健康保険証代わりに使えるようになります。まだまだ少ないのが現状ですが、今後増えていく見込みです。
加入している健康保険は転職や転居などで変わりますが、変更手続きをしてから手元に健康保険証が届くまで、タイムラグが生じる場合があります。
しかし、マイナンバーカードを利用すれば加入している健康保険がリアルタイムで確認できるので、医療機関の事務作業も簡略化し、患者側も安心して医療にかかることができます。
また、マイナンバーカードを保険証代わりにすると、過去3年で処方された薬の情報や、過去5年分の特定検診(メタボ検診)の情報を医療機関と共有することができます。共有は、患者本人が同意した場合のみ。マイナンバーカードで受付する際に、同意画面が出ますのであらかじめわかっておくとスムーズです。
医師に以前飲んでいた薬のことを聞かれても、薬の名前までよく覚えていない、といった場合でも、正しい情報が共有されます。共有がためらわれる場合には同意をせず、自分で医師に説明をする選択肢もあります。お薬手帳などを持参して、説明の準備をしておくといいでしょう。
さらに、医療費が高額になった場合、自己負担上限額を超える分は払わずにすむ制度として高額療養費制度がありますが、マイナンバーカードを保険証代わりにすると、従来必要だった「限度額適用認定証」が不要になります。
限度額適用認定証は、健康保険組合などにあらかじめ請求して郵送してもらうのが一般的ですが、病気やケガのなか、ひとつでも手間が省けるのは助かるのではないでしょうか。
ただし、これにも患者の同意が必要です。限度額は収入に応じて決まるので、その情報を医療機関と共有したくない場合には同意せず、いったん医療費を支払ってから払い戻しの手続きをすることになります。
マイナンバーにまつわることは、個人情報やプライバシーにかかわることが多くあります。
なんだか怖い……と思っている人は、正しく理解して、共有できるところは共有し、マイナンバーとマイナンバーカードのメリットを享受するのがいいでしょう。