はじめに

3500万円を25年で返済するプランだと月の負担額は?

お仕事をリタイアした後に年金生活になると、厚生年金期間も短いとのことですので、公的年金もあまり期待できず、住宅ローンの負担はより大きくなります。よって、住宅購入については、今後働くであろう期間で返済可能な範囲で検討するのが大前提となります。

ご相談者の夫は40歳とのことで、仮に65歳まで働くとすると25年あります。実際にローンを組む場合は35年よりも25年で返済が可能な金額で考えると安心です。

仮に物件価格が3,500万円、諸費用は手元資金から拠出すると想定すると、
◆借入金額3,500万円
◆借入期間25年
◆金利変動0.45%
◆月々返済12万3,374円
となります。

3500万円のローンは現実的?

現在の家賃と比べると、固定資産税などの負担増も含めると約2倍の住居関連費用となります。仮に住宅ローン以外の固定資産税など住宅関連費用を月2万円程度とすると、現在の家賃からは、月額約7万5,000円の負担増となります。

現在の、手取りに対して月々の生活費を差し引くと、月額12~20万円が余る計算となり、この中から個人年金4万5,000円を拠出しているので、余力としては7万5,000円~15万5,000円となります。

すなわち、3,500万円の住宅ローンを組むと、一番低い時の手取り月収の場合、貯蓄余力がなくなる計算となります。返済計画を立てる際には、最低限の月収の場合で考えるべきなので、少し現実的ではないと思われます。

適正価格を割り出すのに必要なこと

では、適正な金額はどのくらいなのでしょうか。それを考えるためには、今後どういった経済的目標があるのかをもう少し整理する必要があります。ご相談の中には、旅行や自動車の買い換えについての記載があります。それぞれ、どれくらいの費用が必要で住宅購入と合わせて考えた時に、優先順位はどれくらいなのでしょうか。

また、将来の収入について、これまでの年金加入歴から、65歳以降どれくらい公的年金が受け取れるかの試算なども必要となります。特に、収入についても曖昧な部分が多いご様子です。確かに、働き方によって収入の変化はあるかと思いますが、シミュレーションを作成するためには、不確定な中でもある想定のもと考えていく必要があります。恐らく、将来の収入やローンの支払いに不安を抱えることを考えると、最低限の場合を想定して検討されたほうがよいでしょう。

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