はじめに
インバウンド需要は復活するか?
これまで外国人の観光目的での入国は2020年4月から実質的に停止となっているため、約2年2カ月ぶりに海外の方々が観光で来日することになります。岸田総理は今後インバウンドに力を入れていく考えも強調していますが、インバウンド需要が日本経済にとってプラスとなってくれることを期待したいところです。
中国人観光客が大量買いをする「爆買い」が2015年のユーキャン新語・流行語大賞となったことで記憶している方もいると思いますが、訪日外国人による消費のことを「インバウンド需要」といいます。爆買いブームの2015年には、訪日外国人が1,973万7千人となり、訪日外客数と出国日本人数(1,621万2千人)が45 年ぶりに逆転しました。
その後日本を訪れた外国人旅行者の数は過去最高を更新し続け、2018年12月18日時点で初めて3,000万人を超えたと政府が発表、日本政府観光局のデータによると、訪日外国人はピーク時の2019年には約3,190万人となっています。
ただ、本来ですと、東京オリンピックが開催される2020年に4,000万人、2030年には6,000万人突破を政府は目指していたのですが、コロナ禍でその状況は一変したのはご存知の通りで、2021年に25万人弱にまで訪日外国人観光客は激減しました。
2022年に入って外国人観光客は街から消えたものの、その間に日米金利差拡大や資源高による日本の貿易赤字拡大などから円安が急速に進みました。インバウンドにとって円安は大きな追い風です。外国人観光客にとって、日本での買い物が割安に感じるバーゲンセールのような状況といえます。