はじめに
リスクとリターンの関係
FXの最大の特徴とされるのが、レバレッジ(テコの原理)、つまり投資金額(証拠金)の何倍かの取引ができることとされます。この本質的な意味は、為替相場は、他の相場と比べても基本的には値動きが小さく、その意味では大きな利益(ハイ・リターン)を追求しにくいので、大きな利益を狙うなら、レバレッジを活用し、投資金額を拡大する方法を選択できる、といった意味になります。
冒頭でも述べたことの繰り返しになりますが、「FXはハイ・リスク」といったことについては、改めてはっきり否定したいと思います。為替相場は基本的には、これまで述べてきたように小動きなので、そのまま投資(レバレッジ1倍)しても、基本的に利益(リターン)は限られる。その意味では、FXはロー・リスク、ロー・リターン取引とすることもできるのです。
そうではなくて、利益拡大(ハイ・リターン)を目指すなら、レバレッジの活用で投資金額拡大の必要が出てくるということです。要するに、FXがハイ・リスクなのではなく、FXでハイ・リターンを目指すなら、レバレッジを高くすることなどで、ハイ・リスクのスタイルにする必要がある、ということになるでしょう。
ロー・リスクでハイ・リターンを狙うのはちょっとムシが良すぎるでしょう。リターンとリスクの関係は基本的に比例します。FXはレバレッジを活用することで、リスクをコントロールできる、というのが正しい理解でしょう。
「FX誕生月」を除くと、為替相場は小動きが長く続きましたが、それが変わったのが「リーマン・ショック」だったのです。為替相場も思ったより動くことがある、となったら、小動きを前提としてきたレバレッジの考え方はそのままというわけにもいかないでしょう。だから、FXのレバレッジ上限設定といった規制強化が必要になったのです。