はじめに
「現実的に内定が出る企業」の選び方
応募企業の選び方について、3つのパターンがあります。
◆ 転職でキャリアアップを目指す、3つの王道「勝ち」パターン
(1) 経験「職種」を生かした転職
(2) 経験「業種」を生かした転職
(3) 経験「職種」「業種」両方を生かした転職
ちなみに、私自身の最初の転職は(1)、2度目の転職は(2)、3度目の転職は(3)、4度目の転職は(1)でした(転職回数が多すぎることは置いておいて(笑))。
いずれの転職も、この「王道パターン」に当てはまっていました。
言い方を換えれば、「未経験職種」かつ「未経験業種」の転職は成功率が低いので基本的に避けるべき、ということです。
「第二新卒」などの「はじめからキャリアアップを狙っていない転職」を除き、中途採用で経験者として認められて内定を獲得するためには、「経験職種」もしくは「経験業種」を生かした形で応募企業を選ばないと、年収や待遇を上げにいくのは、ほとんど不可能です。
ただし、「まったく同じ職種でなければならない」というわけではありません。
例えば、B2C営業職からB2B営業職に転職して成功する人もいるでしょうし、エンジニアからPM(プロジェクトマネージャー)に転職して大幅に年収を上げる人もいるでしょう。まったく同じ職種・業種ではないとしても、近しい職種、近しい業種で転職することは可能です。
仮に、職種も業種も全然ちがったとしても、「必要とされる能力」が大部分共通していて、自分の過去の業務経験が上手く生かせる場合は、転職でキャリアアップを実現できる可能性は十分にあります。大事なのは、「過去の経験が生きるかどうか」だからです。
一方で、「職種」「業種」の両方について、過去の業務経験とほとんど関連性がない、という転職は極めてハードルが高く、年収が上がることはあまり期待できません。
入社後も確実に苦労するので、それらを受け入れる「強い覚悟」がない人は、避けておいた方が無難でしょう。
転職をきっかけに、成功したキャリアを手に入れるためには、過去の仕事と未来の仕事との「つながり」を上手く見つけて、「自分が持っている経験をどうやって次に生かすか」という、説得力あるストーリーを作り上げることが非常に重要です。
まずは「ポジティブな自分」を作る
私は、現在の仕事で、中途採用の面接官を担当することもあるのですが、たまに、恐ろしく「暗い表情」で面接を受けに来る人がいます。
退職検討理由を聞くと、「現職の仕事があまり合っていなくて、今とはちがう仕事がしたい」など、ややネガティブな答えが返ってきます。
転職を考える理由は、ポジティブなものだとは限らないでしょう。
「今の会社に大きな不満はないけれど、他にいいポジションがあれば、自分の経験の幅を広げるために転職したい」など、ポジティブで精神的に余裕のある状態の人よりも、むしろ、本音を言えば、「上司との人間関係にもう耐えられない」「あまりにも仕事が激務すぎて、これ以上は続けたくない」といった、ネガティブな理由で転職する人の方が、圧倒的に多いと思います。
ほとんどの人は、今の会社に強い不満がない場合、転職という選択肢をそれほど本気では考えないでしょうから。
それでもいいと、私は思います。
私自身、過去の転職のうちの何回かは、ネガティブな理由によるものでした。
その当時いた場所から「逃げる」ために、転職をしました。
その決断は「自分にとって必要なもの」だったと、今でも思っています。逃げたって別にいいんです。周りにどう思われたって、気にしなくていいんです。自分の人生なのだから。
ただし、そのネガティブな負の感情を、「面接の場」に持ち込んではいけません。
面接中に、「現職の会社の愚痴」を言ったり、自分の置かれた状況を「周りの環境のせい」にするような発言をしたりしてしまったら、絶対に内定は出ません。
面接に臨む前に、ポジティブな気持ちに切り替え、あらゆる質問に対する返事を、前向きな言い方で回答する。これは、あなたをこれから採用してくれる会社に対する、最低限のマナーだと思ってください。