はじめに

なぜ「損失り」できないのか

私なりに、なぜ「損切り」ができないのか理由を考え続けた結果、主に以下の3点に絞られました。

  1. そもそも、購入した理由が明確でない
  2. 株価がどれくらい下落したら「損切り」するか決めていない
  3. 感情に左右される

そこで、それぞれを潰すことで私は「損切り」ができるようになりました。例えば、ある企業の株を購入した時に、「業績はまあまあ堅調で、テーマに乗っていて、成長しそうだ」といった、かなり“ざっくり”した理由で購入した場合です。

これくらいの弱い根拠では「なんとなく買っている」範疇を超えていません。

本来、個別企業に投資を行うなら「業績が2桁成長していて、来期も2桁成長見通しだ。売上高の柱となっている事業セグメントがこれからも伸びしろがある。企業独自性の強みを理解している。その割には株価が安い」などの根拠が必要でしょう

なんとなく購入すると、なんとなく損失が出て、なんとなく損切りのタイミングがわからない−−これが「なんとなくの怖さ」です。根拠を明確にしておくことで、自分が買った理由が「2桁成長」であるならば、その前提条件がなくなってしまった場合には手放す理由になります。

そして、過去の株価推移から下値となるポイントを確認しておきます。その水準を大きく下回った場合は、しばらく株価の浮上が難しいかもしれません。購入時点で「この水準を割り込んだら手放そう」と決めておくことです。

ここまでお伝えした2点から分かるように、大切なのは購入するまえに「損切り」の理由や水準が決まっているということです。「損切り」は、損失が出てから考えるものではなく、購入前に決まっているべきものなのです。

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