はじめに
自分で作るFX取引ルール例
簡単な例をいくつか紹介したいと思います。
(1) 取引する時間を選ぶ
一日24時間の中で、FX取引を行う時間を決めるという方法をとっているケースは少なくありません。
たとえば、知り合いのプロの個人トレーダーは、日本在住ながら基本的にFXのトレードはNYの日中の時間(朝の経済指標発表の時間からNY株式市場が終了する時間まで)で行うという具合に決めています。これは、米国の経済指標発表をきっかけに為替相場が動くことが多いことに加え、米国の株式相場や金利の動きにも過敏に反応するなど、NY時間の日中は為替相場のボラティリティー(変動率)が高まりやすく、それはトレードする上でのチャンスといった考え方によるものです。
だから逆に、NY株式市場が引けた後、日本時間の朝で一旦FXトレードは終了し、その後に睡眠時間に入ることを基本としているので、日本の普通の感覚からすると昼夜が逆転した生活になっています。
24時間取引可能ということは、つねに為替相場に張り付いているということではなく、自分に最適な時間を選べると考えると「魅力」に感じられるのではないでしょうか。
(2) 指し値注文を活用する
FXの取引は、基本的に指値(さしね)注文と成行(なりゆき)注文に大別されます。指値注文とは、「買う」または「売る」値段を自分で予め指定して注文する方法。これに対して、成行注文とは、値段を指定しない注文方法です。
24時間、為替相場に張り付いてチャンスと見たら成行きで注文を出す、なんてトレードは、精神的にも大変そうだし、いかにも体を壊してしまいそうで、とても長く続けられるとは思いません。すでに述べたように、取引する時間を決めることとともに、注文方法も指し値注文を中心にすることで、日常生活とバランスの取れた形でのFX取引が可能になるのではないでしょうか。
(3) 自動発注などを利用する
指値注文を使うことから、さらに一歩踏み出すことになりそうなのが自動発注といった機能を使うことです。売り買いの指値を予め自動的に注文するような仕組みがFXにおいても増えています。こういった方法を活用することにより、日常生活を大きく変えることなくFXと付き合うことが可能になるでしょう。
実際に取引を行ってみると感じると思いますが、取引は注文を出すといった「入口」以上に、ポジションを手仕舞うといった「出口」が難しいという声を多く聞きます。利益が出ている取引なら、もっと利益を増やせるんじゃないか、といった「欲」が出てくるものだし、逆に損失が出ている取引なら、尚更かもしれません。「もう少し我慢したら、相場が元に戻り、損失が解消されるのではないか」といった具合に、どうしても自分に都合良い期待を抱いてしまいがちなものです。
まさにそれこそが、「人間の性(さが)」ということかもしれませんね。自動発注は、機械的に決済することになるわけですから、感情を制御し、躊躇なく取引が行える面もメリットと言えるかもしれません。
24時間取引可能ということは、時間に制約されないという意味で「魅力」です。その上で、自分に最適な時間や取引手法などを「選ぶ」ことができるかが、FXトレードで失敗しないための秘訣と言えるのではないでしょうか。