はじめに
ぎりぎりパターンの生活費
早い段階でイラストの仕事が軌道に乗ることを期待していますが、もし、思ったようにうまくいかなかった場合には、どんな生活になるのかも考えておきたいところ。そこで、ぎりぎりパターンの暮らしを想定したところ、以下のようになりました。
生活費:13万円
社会保険料:4万円
イラスト経費等:2万円
合計:19万円
ぎりぎりの生活ということで、1か月の生活費を13万円としました。独立後に大きな負担となるのが社会保険料で、国民年金保険料が月額1万6,590円と、任意継続被保険者となった場合の健康保険料を合わせて4万円としています。任意継続被保険者の保険料は、退職時の標準報酬月額をもとに計算されますが、これまで労使折半だったところを退職後は全額自己負担することになります。特に退職1年目は負担が重く感じるでしょう。
このほか、イラストにかかる経費も2万円としています。もっと売り上げが上がるようなったら、売上の中からさらなる投資をしていくことになるでしょう。
これらを合計すると1か月あたり19万円になります。12カ月で228万円ですね。これを2年続けると、456万円になります。現在の金融資産が561万円なので、独立後、2年間売り上げが上がらないと、ぎりぎりの生活をしていても資産が100万円を切ることになります。
なお、6月頃になると前年の所得に対して住民税の支払いが待っています。退職した翌年は18万円前後になると思われます(お住まいの自治体や、各種控除によって金額は変わってきます)。このほか、所得税は売上が上がってくるとかかりますが、ここではうまく稼げなかった場合を想定しているため、計上していません。
デッドラインを決めて取り組んでみる
資産が100万円を切ると、かなり危険ゾーンなので、自立した暮らしを求めるなら再就職をする必要があります。このように、最悪の場合のデッドラインを決めておき、そこに陥らないように、それまでは本気でイラストに取り組んでみるという道もあるのではないでしょうか。
まだ年齢的にもお若いですし、これまでも公務員としてしっかり働いてきているため、転職しようと思ったら次の仕事は比較的見つかりやすいと思います。だからこそ、もし公務員を辞めて夢にチャレンジをするのなら、副業といった安全な道よりは、イラストに集中する道をお勧めしたいと思いました。
最終的に決めるのはご相談者さん自身です。今後の道を選択する際の参考になれば幸いです。
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